
ここのところ、ブログネタには泣かされてきた。
というのは、デートするならどこ?とか、2人だけで観たい映画は?のような、私にとっては、紀元前の話ばかりで、妄想の世界で論を繰り広げるしかないものが続いたからだ。
今回は、逆の方向で困る。
つまり、答えが多過ぎて、どれに的を絞ったらいいのか悩んでしまうからである。
多分、一つ一つ挙げていったら、結局登録されている世界遺産すべてになってしまった、ということにもなりかねない。
しかし、それでは解答にならない。
うーん、といったまま頭を抱えてしまう。
(この手の悩みは、むしろ楽しいが)
でも、どうしても一つを選べと言われたら……。
そうですね。
アブ・シンベル神殿にしますか。
ユネスコ世界遺産のきっかけとなったラムセス2世の神殿。
アスワン・ハイダムの建設により沈没してしまうこの神殿の分割移動が、世界遺産という意識をもたらすものになった。
そして、この神殿の主ともいうべき、エジプト史上最大最強最長と言ってよいラムセス2世の物語を4年前にを読んだことが、また、そこで働く神殿専門職工の姿を表した本を読んだことが、当時のエジプト語、さらには世界の言語を学ぶきっかけとなった。さらに、昨年夏、日本語語源研究書のような『ことのは呪縛と源』を清水の舞台から3回飛び降りて流通出版するトリガーとなったからだ。
この神殿が西欧人に発見された頃は、神殿の像は大半が砂に埋もれており、首から上しか出ていなかったらしい。
しかし、すごい神殿だ。
像の巨大さや、今も残る美しい壁画のみならず、ピラミッドの回廊にまつわる不思議以上の、極めて正確な天文知識がないと設計できない構造、全体の美。
若い頃はモンマルトル付近に住む芸術家作品に惹かれ、エジプト芸術だの、仏教芸術だのには一目もやらなかったが、今には違う。
ただただ、見入るばかりなのだ。
ちなみに、古代エジプト語が解読できるきっかけとなったロゼッタ・ストーン。
警備員の目を盗んで触ってしまいました。
クレオパトラのハスの匂いや、ナポレオンの酒臭さは感じませんでしたがね。
あれっ、話してはまずかったのかな。
もう、25年くらい前のことですから、スコットランドヤードも目をつぶってくれるでしょう。
それに大英にあるあれは、……。
いや、以下自粛。