うるおう……しま爺のラビリンス道場へようこそ | しま爺の平成夜話+野草生活日記

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潤っていますか? 

と聞かれて、
「ええ、十分に」
と答える人は、ほとんどいませんよね。 

お金にしても、肌にしてもなかなか思い通りでない方が大半ではないでしょうか。 

私もそうです。 


話はかわりますが、潤う、和やか、うららか……。

いかにも日本語独特の美しく、意味深い言葉ですね。
耳に心地よく入ってくる音(おん)でしょう。


ところで、この潤いとか、潤うの『ウル』って何なんでしょうかね。 


ここからはしま爺のラビリンス・迷宮道場の話になりますので、興味のない方はスルーをお勧めしたいですなあ。




人類が最初に文明を築いた所をご存知でしょうか。 

中国4000年の歴史なんて言いますけど、中国ではありません。 


いえ、いえ、ピラミッドやスフィンクスのあるエジプトでもありません。 


それはチグリス川とユーフラテス川の間に開けた、今のイラクです。 


おっ、やっと思い出していただけましたか。 
そうです。メソポタミア地方です。 
メソポタミアとは、ギリシャ語のメソ(間)、ポタモス(川)と言う意味です。 
もちろん川とは、先に挙げた2つの大河です。 


エジプトに文明が花咲くよりはるか昔に、メソポタミアには都市国家らしいものがあり、これをウル、ウリムなどと呼んでいます。 

この文明を築いたのは、シュメール人という、謎の民族で、そのずっと後に「目には目を、歯には歯を」で有名なハンムラビ法典などを作った民族にも大きな影響を与えています。 


しかし、ハンムラビ法典を作った民族とシュメール人は、明らかに違います。 
シュメール人たちのその後は、今なお謎ですが、シュメール語は、構造的には日本語と同じ言語に属すると思われます。 

つまり、例の引っ掻きキズのような楔形文字さえ覚えれば、文法を知らなくても、だいたい読めるかも知れませんし、言葉の並びがほとんど日本語と同じですから、英語よりは簡単に訳せる可能性もあります。 

また、楔形文字は漢字にも似たところがあり、なかなか面白い言語です。 


このシュメール語でウルに近い音の意味には、耕す、焼く、守るなどの意味があります。 


面白いのは、古代エジプト語でウル(ウルル)は、偉大なことなどを表す言葉です。 

この古代エジプト語のウルの意味が、メソポタミアのウルに由来する可能性があります。 
キリスト教でも、イスラム教でも、また、それらの宗教の親でもあるヘブライ(ユダヤ)教でも、神を除いて最も崇拝されているであろうアブラハム(ヘブライ語で、人hamの父ab)は、ウル出身でした。 


また、ヘブライ語でのウルは、火、炎であり、オルまたはオラー(光:日本語などのオーラ)と同じ綴りです。 


日本語のウルむも、ウルのように偉大になる、豊かになる、から来ているのかも知れませんね。 

なお、『うららか』もヘブライ語オルまたはオラーの光、輝くという言葉と関係があるかも知れませんよ。 



いかにも日本語らしい言葉は、訓読みで表されるか、ひらがなでしか表せない言葉の中にあります。 


しかし、そうした日本語独特のニュアンスが感じられる言葉というのは、意外にも中東や南洋の言葉に多いのです。 



ウルは2つの川に囲まれ、豊かな天の恵みを受け、『潤い』『土を耕し』『豊か』になり、『偉大』な都市となって『光り輝いて』いたのです。