
このテーマに関して考えたことはなかった。
しかし、いい機会だから、自分の人生と好きな時間帯を思い出してみよう。
【小学校に入る前】
朝6時。
いわゆる朝飯前に、ヤギの餌を探しに、500メートル位離れた田んぼまで、父や叔父と一緒に草刈りに出かけた。
そこからは富士山がよく見えた。祖母の話では、関東大震災の後は、そのあたりの空が赤かったという。
富士山の見える方角は、東京のある方角でもある。
【小学生時代】
午後4時。
冬はすぐにも暗闇が迫ってくる時刻だが、夏場はずいぶん遊べる時間がある。 野山に行き、自然薯、タラノメ、セリ、キノコ、山柿、木苺、センブリ、ヤマブトウ、クワ、グミ、お花畑……。
今考えると、ずいぶん贅沢な山の幸、野の恵みの中にあった。
【中学生時代】
午後11時15分。
当時はもっともエッチな番組とされる『11PM』というテレビ放送の開始時刻である。
【高校時代】
午前3時。
鶴光(漢字が誤りなら、ごめんなさい)というお笑い芸人がパーソナリティーをしているラジオ番組があった。そのアシスタントの女性がちょっぴりエッチで、また、声が可愛ゆかった。
【大学生時代】
午前5時
実験室のフラコレーター(分子の大きさ順に分別する器械:当時は半自動で人がついていないと、何十も試験管を入れたボックスがつっかかることがあった)が、5分位毎にカタンと軽い音をさせ、眠りの世界へ旅立とうとする私を邪魔する。
私は気付け薬に、耐性実験用に保管していたエチルアルコールを喉に流し込む日々。
【社会人になってから】
朝とか夜とかは関係なし。
当然、時間とはあってないようなもの。
【ボケ爺時代】
午後9時。
だいたい仕事場から離れられ、私がしま爺に変身する時刻。
ここで私は、自分が生きていて、人間であったことを自覚する。
午後9時。
それは、私が生き返る時刻だろう。