
あ な た 。
なんて失礼なことを、しま爺は言わない。
そもそもrentとは、borrowなどとは違って、やや冷たい機械的な響きのある『借りる』である。
日本語ではrental wifeとか、rental kidsとかいう商売があるかも知れないが、どうも違和感のある英語風日本語だ。
話は全く違うが、アメリカなりイギリスでホッチキスとかマックスなんて言っても通じない。
嘘だと思ったら、明日の便でニューヨークでもロンドンにでも行ってみればいい。
日本人か、日本に住んでいた人を除けば、ホッチキス、マックスが文房具の一つと分かる人は、まずいないだろう。
で、なんでしたっけ。
そうでした。
レンタルするなら何がいいかでしたね。
レンタルを一時的に借り、それなりの代金を払って返すものとすれば、スギゴケの絨毯のあるブナ林の中に建つログハウスでしょうか。
近くには清水が流れ、カタクリやサギソウ、イチリンソウが花を競い、夕方になるとタヌキかムジナあたりが餌をねだりにくる。
そんな別荘を1ヶ月くらい借りてみたいものですね。
そうだ。
ダ・ヴィンチの『岩窟の聖母』(パリのものとロンドンのもの両方)も長らく借りたいですな。
しかし、おそらく1日あたりのレンタル料金が何億という単位で、数千億の保険がかかるはずですから、まあ、逆立ちしても借りられっこないですがね。