
人は世に連れ、世は歌に連れ。
あなたを愛したなら、骨までしゃぶってしまいそう。しかし、ラーメンの出汁にしたりはいたしません。
心底あなたに惚れから、お骨を大事に神棚へ。俺ももうすぐそちらに行くよ。忘れないでね、みよ婆さん。
徘徊歴20年、昇天覚悟で歌います。
ハーフ・素竹さん
『骨まで愛して星の君』
と、ここまで読んで
『なんだ、これ?』
というブロガーさんが大半、おそらく97%以上の方が、何を書いているのかわからないだろう。
実はこれ、かつてのスターと、歌謡番組とをデフォルメしたものだ。
はるか昔、歌謡界のトップスターがいた。
けして外見は良くない。いや、むしろ子どもたちの話題にさえなるような、たいへん個性的な顔立ちだった。
が、声は甘く、また斬新な歌詞と相まって、国民の大半が口づさみする歌を歌い、イギリスで前売りチケットが数時間で売り切れてしまう、あの元プレジャーランド所有者と同じくらいの人気歌手だった。
しかし、今、その名を知る方は、50代以上の方たちだけだろう。
彼に限らず、芸能界は人、人気の回転がたいへん速い。
いや、これは芸能界に限らない。おもちゃ、環境アイテム、アクセサリー、本、衣服……。
すべてのものが、目まぐるしく生まれ、消えていく。
特に日本では、その傾向が強いように思われる。
例えば日本で発行される新刊本は、世界中の新刊本の合計の半分以上あるのではないか、と私は思っている。
おもちゃ、お菓子、化粧品、洗剤、文房具、アクセサリー……。
挙げたらきりがないが、これらも本と五十歩百歩だろう。
職業もしかりである。
高度成長期と呼ばれていた時代には、鉄鋼、自動車などの重工業メーカーが大もてだった。
しかし、鉄鋼業界ははるか昔に冬を迎え、今は特殊金属工業などに鞍替えせざるをえなくなったところも多い。
自動車業界は、荒波を何度も経験しながらも、なんとか生き延びてきたが、この春以降が各社とも、創業初の大波をかぶりそうだ。
少し遅れて人気が上昇してきた電機産業は、今年から浮沈をかけた戦略を迫られる。
一時バブルに酔った不動産関連産業も、この不景気にはお手上げだろう。
最近、テレビ界ではお笑いブームが続いている。
たいへん厳しい言い方をすると、このブームは今年正念場を迎え、なんとかバイトなどで食をつないできた芸人さんたちは、今までとは比較にならない、厳しい選択を迫られるかも知れない。
いや、お笑い業界自体、かなり狭い枠にはめられる可能性も否定できない。
人気のある職業。
中学生の時、21世紀は、情報化時代が成熟し、反動で宗教が発展、精神医療も需要が高くなる、と聞いた記憶がある。
高齢者社会の到来とともに、これらの予測が現実となってきている。
私は、今後、また、農業的なものが脚光を浴びるような気がするが、残念ながら今のままでは、日本から農業が消えていきそうである。
ひと握りの人たちのマネーゲームにより、今世界は100年に一度とうたわれる経済危機に陥る様相を見せている。
こうした社会では、一層人気のある職業を言い当てることは難しい。
ただ、これだけの情報化時代になると、Googleなどの情報産業が衰える可能性は低い。
しかし、こんなにもコンピュータ依存社会になって大丈夫なのか、という不安は常に付き纏っているのだ。
例えば太陽風、宇宙線、人工的なトラブル、大気圏内特殊爆弾などによる作動異常、バグ……。
たぶん、情報産業ではこれらに関しては十分な想定、テストを行っているだろう。
とにかく、私たち一般人には、コンピュータというブラックボックスを修復することはできないのである。
人気のある職業につくことはいいだろう。
しかし、世の常として、常に雲の上であることもなければ、泥水を食む生活だけでもないだろう。
たぶん。
ひょっとしたら。
可能性としては。
夢でもそう思わなければ、……。