
まず、玄関は丑寅になく……、といった風水の話をするつもりはない。
が、香港などでは、風水は最重要課題だ。だから、それが大切と思うなら、別にそれでいいのかも知れない。
日本でも、トップ企業のトップ層ではかなり宗教的色合いが残っていることが少なくない気がする。
世界の金持ちや優良企業を載せた雑誌に名前が載るような企業でさえ、その本社の屋上に鳥居や社があったりすることは、よく知られていることだ。
会社や個人がそれを大切だと思うなら、それでもいいだろう。
ただし、それを利用した経済活動には、本当のところ好感が持てない。
私もかつて、仕事の関係で磁石を持ち、公安関係者に、素人にもわかる尾行をされた経験が、海外である。
期待される情報をかなり正確にレポートしたが、最後に『これらは全く科学的ではなく、その根拠として……』なる追記を書き添えた。
予想どおり上司に、「島ちゃん、これは出せないわな」と追記部分は棄てられる。
この方は大変面白い方で、つい最近も袖を触れ合う機会があった。おそらく「あと少し大人になれよ」と言いたかったのだろうが、何度か書いているように、私は万年小学5年生だから、相手の言いたいことがわかっていても、「しかしねえ」が出てしまう。
と長々と道草を食ってしまったが、要は本人次第である。
自然に囲まれた環境が第一と考えるなら、多少疲れが出た部屋でもかまわないだろうし、ダストアレルギーのある方なら、カーペットのない板の間と畳だけの部屋が重要になるだろう。
また、いろいろ希望はあるが、収入が少なかったら、あきらめなくてはいけない項目が増えてくる。
そうなると、最も重要なのは賃貸料となるだろう。
経済的に十分余裕があれば、何箇所かに住まいを分け、状況に応じて移動するこてもできるだろうが、これは一般的ではない。
かつて、新入社員が全給料を注ぎ込んでも、とても支払いできないようなマンションに住んでいるテレビドラマが話題になったことがある。
内容的には面白く、若い世代には人気があった。しかし、現実を知る大人にはあまりにも夢物語であることがわかっていた。
部屋を選ぶ基準。
実は、一番大切なのは寂しいかな、お金しだいであることが、庶民の私たちには現実だろう。
違うと思った方は、まだある程度の余裕がある方なのかも知れないなあ。
私も給料日のことなど頭にない時代は、別のものが優先されましたからね。