
そうですね。
私は若い頃は相当わがままでした。
とにかく、自分がわがままだとか、自分勝手だとかさえ思わないほど、いい言葉を使えば自由奔放、悪くいえば空気を読めないアホ兄ちゃんでしたなあ。
『でしたなあ』などと過去のことのような表現をしてしまいましたが、今でも会社では、時々新入社員のようなこと言ってますがね。
さて、そんな私が10代の時には、感動したマンガも小説も映画も、ほとんど記憶にありません。
特に、伝記とか小説に感動するなどあり得ないこと、くらいの考えでした。
もし感動したものを敢えてあげるとしたなら、向井去来や中島敦の巧さに驚かされたくらいでしょうか。
それが、20代になり、30代になり、そろそろ赤いちゃんちゃんこが似合う年に近づいてまいりますと、どうもいけません。
何にでも感動するようななってしまいます。
ですから、なにか一つと言われても、正直パッと出てくる言葉がありません。
なお、こうしたネタにお名前を出してよいのかどうかよくわかりませんが、私の心の中心に近いところに陣取っている言葉はあります。
しかし、それは小説の中に出てきた言葉でも、映画でヒーローやヒロインが言った言葉でもありません。
『雑草という名の植物はない』
昭和天皇がおっしゃられたとされるお言葉です。
さて、先週は東京近郊でも雪がちらつきました。
しかし、日に日に春の足音が近づいて聞こえてまいります。
庭の花桃が、今日の陽気に、花びらを開けさせられました。
