
野菜と果物をどう区別するかは、チョウとガの間に線を引くことぐらい難しい。
触覚の形とか、夜行性かどうかで分けたりするという説があるが、これらは正しくない。
実のところチョウもガも同じ仲間だから、区別しようがないのである。
つまり、チョウやガというのは、人間(日本人)が、勝手に分けただけなのである。
野菜と果物の関係も、これに似たところがある。
一般的には木になる実は、果物と呼ばれる。
リンゴやミカンのようなものだ。
しかし、南洋には高木に長さ30センチメートルにもなる、エンドウ豆のようなものがあるが、果たしてこれを果物と呼んでいいのか、疑問符がつく。
葉や根、あるいは茎を食べるものを野菜とする点は異論のないところだろう。
しかし、実を食べるものは、野菜なのか果物なのか、なかなか難しいものが多い。
例えば、同じウリ科の実でありながら、キュウリは野菜だが、スイカやメロンは果物のようにも思える。
ナス科のナスやジャガイモは野菜だろうが、トマトは野菜なのだろうか。それとも果物なのだろうか。
微乳と美乳の違いくらい難しい。
おっと、話が脇道にそれそうだ。
話を戻そう。
キノコや海藻というのも、やっかいな存在だ。
野菜に組み入れてもいいような気もするし、全く別物という気もする。
そんなわけで、はっきり野菜とわかる、主に葉や根などを食べるものについて考えていこう。
(すごく長い前置きだった)
葉っぱを主に食べるなら、レタスがうまい。
若い時は、サザンアイランドあたりをかけて食べるのがお洒落に思われ、また、美味くも感じた。が、今はゴマだれあたりでいただきたい。
根菜なら、じっくり煮込んだおでんの中のダイコンだろう。
砂糖と赤味噌を加えての油炒めなら、ナスをおいて他にない。
安物の焼肉などより、はるかにうまい。
天ぷらなら、野セリか、タラノ芽だろうか。
香りなどを楽しむなら、吸い物のミツバははずせない。
パスタなら、ニンニクとバジルだろう。バジルは人によっては苦手な人もいるだろうが、私はどんぶり一杯ぐらい炒めてパスタに入れたい方だ。
スープなら、冬瓜はなかなかいける。特有の酸味があるから、やや抵抗がある人もいるだろう。
しかし、冬瓜と骨付き肉を煮込み、しいたけを入れ、軽く塩で味付けしたスープは、ブッダジャンプスープ(仏陀でも、あまりの美味しそうな匂いに、垣根をジャンプしてきそうなスープ)に近い。
ずいぶん長々と書いてしまった。
一番美味しい、という課題に正しく答えられていないが、お許しいただきたい。