ぶつかり合いはサッカーの常
少し前のブログで書きましたが、
「誰が勝ちたいのか?」
という、このテーマ。
本来、考えるまでもなくそれは”選手たち”なんだと思います。
そして、
海外と日本の子どもたちの試合で感じる
インテンシティの強さの違い
これはまさに実際にプレーをする選手たちの
”勝ちたい気持ち”
が素直に表に出てくることの現れなんだと思います。
日本の少年サッカーがなぜインテンシティに劣るのか
なぜ勝ちたい気持ちを素直に表現できないのか。
これには少なからず大人の子どもたちへの関わり方が関係しているんだと思います。
と言うのは、
サッカーに限らず、日本ではとにかく
「怪我をさせてはいけない」
という意識が強すぎると思います。
ポルトガルでは、子どもたちのサッカーを観ているとき、
大人たちは本当にただひたすら応援するのみです。
激しいタックルで選手が倒れるような場面は日常茶飯事ですが、
こんな時、ポルトガルの大人たちはジッと状況を見つめ
倒れた選手が起き上がった時には、その選手に向かって大きな拍手が送られます。
一見、「それはないだろう」と思うようなタックルをしたとしてもその選手を責めたり、コーチに文句を言ったりと言うことはまずありません。
誰もが、
真剣にサッカーに取り組んで入れば起こりえること、
逆に言えば、
それだけみんなが真剣であること
を理解しているんだと思います。
先日、サンフレッチェ広島の選手がアビスパ福岡の選手のファウルで大きな怪我を負ってしまい、ファウルをした選手のSNSに誹謗中傷が相次いだ、というニュースがありました。
たしかに怪我はないに越したことはありません。
でも、怪我のないサッカーは存在しないことも確かです。
そして、サッカー経験者なら誰しもわかると思いますが、
プレー中は、周囲で観ている以上に、
「イケる!」と一瞬の判断で思うものです。
さらには、真剣になればなるほど、
「ボールを奪うんだ!」という意識以外、頭の中には
何もなくなるものです。
ゆえに、どうしてもファウル、そして怪我は起こります。
それを必要以上に話を大きくし、まして誹謗中傷などしてしまえば、もうその選手はサッカーに向き合えなくなる可能性さえあります。
まして、相手を慮る意識ばかりが先に立ってしまい、思い切ったプレーができなくなれば、それはもう大好きなサッカーがサッカーでなくなってしまう。
そんな風にさえなってしまう恐れさえあるのかもしれません。
一方で、選手が倒れてしまうようなファウルが起きたとき、ポルトガルの人たちはとにかくそのフォロー、救護に入るのが早いです。
何の迷いもなく試合を止め、救護が入ってきます。この時、救護するのは相手でも味方でも関係ありません。近くにいるコーチや大人がサッと入ります。
大人は、起こしたことを咎めるのではなく、
起きたことに対して、とにかく素早く対応するんです。
そして、起き上がったあと、ファウルをした側、された側、どちらもいがみ合うこともありません。
大半の場合は、何事もなかったかのように試合が再開されます。
時には互いに手を合わせることさえあります。
それだけ、
起こりえることに対して理解しているのでしょう。
日本サッカーが海外サッカーに対して劣ることとして
インテンシティというのはずいぶんと前から言われ続けています。わかっていても中々向上していない、ということでもあるでしょう。
特に、育成年代のサッカーではフィジカルにはかなりの差があるように感じます。ゆえに、実際にプレーしている子どもたちから「とにかく強い」という言葉が真っ先に出てくるのだと思います。
日本サッカーがさらに向上していくためには、
サッカーを観戦する大人たちが
サッカーをより理解すること
どんなことがあってもお互いの選手を尊重できること
そして、
どんなことがあっても見守る勇気を持つこと
など、選手だけではなく周囲の大人もサッカーに対して成長していく必要があると感じさせられています。
