中学生の青春物語です。

瀬尾さんが書けば

ヒューマンドラマとして

楽しめます。




中学の陸上部、駅伝についての

物語です。


個人の表面をなぞるだけではなく

一人ひとりの抱えている

トラウマやコンプレックスを

丁寧に描いています。




抱えている悩みは人それぞれで、

スカッと解決、という

単純明快なストーリーでもない。

しかしそれが良い。


トラウマやコンプレックスは、

一気に無くなるものではない。

人によっては、一生消えないもの。


その重さや荷物は

誰かに少し持ってもらうことで

心と体は少し軽くなる。




駅伝を走る

6人のメンバーそれぞれの物語が

短編集のように区切って

構成されています。


顧問の女性教師もいい味出してます。

瀬尾さんの描く、ゆるい性格の女性。


特に感動したのは

2区を走る、不良少年の物語。

どうしようもない不良少年に、

声をかけ続けてきた教師がいました。

その教師が2区の終盤で

大声で応援します。


今まで邪険に扱ってきた教師の応援。

不良少年の孤独を埋めた瞬間でした。






傑作だと思います。


PMSに悩む女性と、

パニック障害に悩む男性。




あらすじだけ見れば

重く、苦しい内容を想像しますが

そうではありません。

瀬尾さんらしい文体で

優しく、軽快な印象です。




しかしながら

病気に悩む切実さは

しっかりと描かれています。


本人しかわからない苦しみ、悩み

そして諦め、葛藤。


同じ病気に悩まされている人たちには

勇気を与える内容だと思います。




もしこの2人が出会ってなければ

その後も病気を一人で抱えたまま

だったんだと思います。


強い孤独と、向き合わざるを

得なかった気がします。

果てしなく長い時間を。




映画版も観ましたが

原作が好きな人は

見なくて良いと思います。


瀬尾さんのファンを公言している

上白石萌音さんは素晴らしかったです。

しかし余りにも別の物語でした。

原作に忠実にして欲しかった。。




気温は30℃を下回っていますが

まだまだ暑い。。










アスファルトからの照り返しが

キツく感じます。










時折り立ち止まり

景色を楽しみました。