よつばと! | ブリキッツ-blikitz-

よつばと!

あずま きよひこ
よつばと! (1)

「あずまんが大王」のあずまきよひこ氏が描く、夏休み生活。


以下ネタバレ。↓反転はしてません。

あずまんがも購入していたので、この作品もタイトルだけは知っていました。でも、なんとなーく手が

出なかったんですが、読んでみると面白い。

「よつばと」というのは、「よつば」と、なんですね。つまり、「よつば&」。なるほどなぁ、考えたなぁと

まずタイトルで感心。


主人公の小岩井よつばが引っ越してくるところから物語は始まる訳ですが、まずよつばちゃんの言葉遣い

に引っかかります。子供らしいと言えば、そうなんですけどね。サクラ大戦5のリカリッタみたいな感じで、

ちょっと乱暴というか、言い切り型?

私も引っかかりを覚えたんですが、これは読み進んでいけば慣れます。そこで駄目な人もいるだろうけど。


よつばと!は、読む前までは、「田舎育ちの身体能力スーパー少女」のお話だと思ってました。

前作あずまんがの「ちよちゃん」のイメージがあったからでしょうか。だけど、読んでみると意外に普通。

とにかく普通のお子さん。背が小さくて、高い木にとまっているセミが捕れなかったり、服も短パンを常用

しているものの、可愛い服も持っているし、「妖精さん」と聞いておジャ魔女みたいな衣装を着た自分を

イメージしてみたり…。本当に日常風景をゆるーく描いているんだなぁと思いました。


お隣にすむ綾瀬一家が好きです。特に風香ちゃん。かわいいです。読者が一番感情移入できるのは

彼女なんじゃないかと思います。まあ、年齢や性別で違うでしょうけど、女子大学生の私が身近に

感じたのは彼女です。作品中一番、「ふつう」なんですよね。


よつばが「超少女」じゃなくて好感を持ったので、作品に求めるのは「平凡さ」です。その中に、「とーちゃん」

の職業がああ見えて翻訳家というちょっと格好良いお仕事だったり、「ジャンボ」がお花屋さんだったりという

アンバランスさが良い味を出していると思います。でも、よつばの生い立ちは余計な気がするなぁ。

これはあくまで個人の感想ですが、今後どのように展開していくのか分からないものの、よつばが実子では

なく、しかも海外から拾ってきた子供だという設定にはあまり興味を引かれなかった。

そりゃ現実にもそういう親子はいるでしょうが、どうも、漫画やアニメならではの「特別な子設定」という感じが

してしまいます。


あー、あともう一つ。私はこのお話気に入ったんですが、これを紹介してくれたのが友人Aだとすると、

そのAと私の共通の友人Bがいて、彼女は「合わない」と言ってました。

よつばの言動や行動にイライラするということで。確かになぁと思うのです。私は平気でしたが、確かに

このよつばちゃんというのは、子供特有のずうずうしさ、遠慮・配慮の無さがあります。それが魅力として

作中ではプラス要素として描かれるものだから、一度「コイツ嫌い」と思ってしまうと、そんなよつばに

対して愛情は感じないし、逆に彼女を受け入れている周囲の優しすぎる対応がしゃくに障ると思います。

私は慣れました。でも、合わない人には合わないと思う。

みんなよつばと比較すると大人なので、作中では彼女がどんなわがままを言ってもやっても、それは

幼い子供の天真爛漫さ、無邪気さとして受け入れてしまうからね。それを「嫌なこと」として描いてないから。


私も、ちょっとこれはどうなの、というようなシーンはいくつか。例えば、よつばがセミ捕りをして、それを

お隣さんの玄関で放してしまう。当然玄関はセミだらけ。ママさんの「ギャー!」という叫びはオチに

使われているだけだけれど、これ、実際にやられたら相当キッツイです。子供時代はともかく、大人に

なった今は虫なんて気持ち悪いというのが、女性として普通だと思うし。だいたい、家の中汚れるし。

よつばはもちろん悪意があってそうした訳ではないので、彼女を責める人は誰もいないし、最後までそれが

綾瀬家の家人(ただし末っ子の恵那ちゃんは平気な様子)に不快感を与えたことに気付かない。

また、みずでっぽうを振り回す回では、いきなり綾瀬家に上がり込んで(コレはいつものこと。良くはないが

まあ子供だし、綾瀬家は容認)みずでっぽうを乱射。寝ている次女の鼻に打ったかと思えば、三女の

ぬいぐるみも水浸しに。水だからまだ乾けば良いですけどね……。

家の中で水遊びはだめ!私がマンション住まいだから余計そう思うのかも知れませんが、濡れたら困る

ものや場所が沢山あります。濡れて大丈夫なのはフローリングの床くらいです。


この両方ともなんですが、よつばちゃんサイドからは誰も出てこないんですね。その場にいないから

この事態に気付いていない訳ですが、出来れば「とーちゃん」にはお詫びに来て欲しいところ。

菓子折のひとつも持参すれば丸く収まりそうな、些細なことではあるんですが、よつばが(または

「よつばと!」が)ダメって人は、このよつばに受ける行為を自分に当てはめてしまうのではないかと

思います。自分がこんな迷惑を被ったら嫌…という感情が前に来すぎて、どたばたを楽しめないんじゃ

ないかなぁと考えました。

私もダメだなあと思うシーンはいくつかあったものの、だからこそ、メジャーをおもちゃにして遊ぶシーンで

とーちゃんが叱るコマは、良く入れてくれたと思いました。

ダメなものはダメだと教えるのが教育ってもんですからね。お隣でアイスを貰ってきたというよつばの話に、

「お礼を言っておかなきゃなぁ」と呟くところも、それをメインに据えず、本当に「良くあること」として

日常描写の一つに埋もれさせて描くことで、バランスが取れているように感じました。