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【母乳よりも大変?】

今回は、離乳食について、ブリキなりに考察する。・・生後ずーっと授乳を続けてきた親にとって、赤ちゃんが始めて食べ物を口にするだけでも感慨深いでしょ。

で、ブリキの体験では、この離乳食は母乳以上に難しいと思える。「えっ、あんなに大変な母乳よりも?!」と驚くのでは?・・

ここで、「以前」紹介した桶谷先生の教えを紹介する。

一つずつ食品の味を覚えさせたうえで、次の食品に進み、食べられるものを増やしていきます。・・

最初に与えるものは、重湯(または)野菜スープから始めるのが適当です。・・初めはだしも使わない素材の味からスタートします。にんじん、じゃがいもといった野菜には自然の風味があり、それだけでおいしいので、まずそれを覚えてもらいます。・・素材の味に飽きてきたら次に塩味・・そしてしょうゆ味からみそ味へと進めます。

・・新しい食品に挑戦したときは、便の状態をよく観察してください。

という。一見シンプルでそんなに難しそうには見えない?・・

【手が抜けない、気が抜けない】

ところが、実際にやってみるとこれが結構大変だと気づくハズ。・・

なるべく安全な食材を入手し、おかゆやや大根などやわらかくして用意する。外出する際それを小さなタッパーに詰めて持ち歩き、食事時になると「あぁ~ん。」と言いながらスプーンを口元へ持って行く・・が、赤ちゃんは全然口にしない。

(↑自分で味見してみても全然美味しくはない。(ブリキの舌は加工食品付けなので。)赤ちゃんには、「美味しいねぇ~」などと声を掛けるが、内心では動物園のふれあいコーナーで小動物に生野菜を食べさせている気分だった。)

この味気ない食べ物よりも、周囲に気を取られてキョロキョロしている小動物の口へスプーンを運ぶだけでも一苦労だ。命中率は低く、口元や服さらにはテーブルまでぐちゃぐちゃになり、食べさせ終えるころにはクタクタになる。

また、シンプルな分、作り置きしづらくて毎食用意するのに結構手間がかかる。

そして、便利で簡単な既製品の誘惑に襲われる。が、ひとたび市販のベビーフードを与えようものなら、も~取り返しが付かない。・・一度その味を知った赤ちゃんは、味気ない手作りの離乳食を、もっと嫌がるようになる。・・

そんな綱渡り的なところが、母乳哺育よりも難しいと思える。

【奇妙なアトピー】

ブリキの場合、一人は素材の味をお好むようになったが、もう一人は濃い味(化学調味料)を好むようになった。・・(←ゴメンね。)

で、ジャンキーな方は、少し皮膚にトラブルを抱えている。

「アトピー」とは、ギリシャ語で「奇妙な」という意味で、原因がよくわからない病気と言えるらしい。

そこでアトピーについて、「アトピー治療のW戦略―腸内正常化と毒出し」から紹介する。(※ブリキは門外漢であり、これはその一考察(=生兵法)に過ぎない。実際には専門医などに相談してね。)

腸(小腸)は必要な栄養を消化・吸収すると共に、あらゆる病原菌や有害物質にさらされ、それらから身体を守る器官。その腸の機能が弱い(未発達を含む。)と、体内に毒素が入り蓄積される。

そこで、腸に代わり皮膚の新陳代謝の機能を使って、その毒素を体外へ排泄しようとする・・・。それがアトピー性皮膚炎だという。(←つまり、自分で治そうとしている自然治癒力?)

一方、ステロイドを使用すると、一見アトピー性皮膚炎の症状を改善するが、毒素が体内に閉じ込められ、反って病状を長引かせてしまう。

と言う。・・なんだか一般的な認識と事実(=この本での解釈)があべこべになっている。・・

(↑子育てやアダルトチルドレンを調べていると、いつもこーゆー展開になる。だから、ブリキは現代の子育て観(=社会通念)に懐疑的になる。)

【今そこにある危機!】

ブリキが子どもの頃、パンは日持ちせず、すぐカビてしまった。が、近頃はそんなパンを見かけない。・・これはパンに練り込まれた添加物のおかげだろう。

が、その便利な添加物が毒素になる。・・今では、身の周りの食品で、添加物が入ってないモノを見つける方が難しい。(詳しくは、「食品の裏側―みんな大好きな食品添加物」を読んでね。)・・しかも、大人より、子どもたちにその影響が出やすいと言うから質が悪い。

さらに、食品添加物だけでなく、天然・自然食品でも、食物アレルギーが問題になるコトもある。近年、学校給食で事故(重篤な症状のアナフィラキシーショック)が起きたと度々ニュースになる。

【奇跡なのはリンゴだけか?】

この問題を考える際、「奇跡のリンゴ」の木村秋則さんの取り組みがヒントになるのでは?・・

不可能と言われたリンゴの無農薬栽培に取り組む、木村さんのリンゴ畑では、次から次へと問題が起きる。害虫が大発生したり、葉が病気にかかったりして全滅しそうになり、一家も困窮し、本人も自殺を図るところまで追い詰められる。

この過酷な状況にさらされているリンゴたちの姿は、今の子どもたちとダブらない?・・

アナフィラキシーショックは、生物相が減少した中でバランスを崩し、害虫や疫病が大発生した生態系の仕組みとダブらない?

また、それを見守り苦闘する木村さんの姿は、ステロイド治療の中止に取り組む親子の壮絶な体験とダブらない?・・

ここで、注目してほしいのは、岩木山で転機が訪れた後、それまで見えていなかった虫たちの顔や土や下草などの細やかな変化に気づいたコトを、うれしそうに紹介する場面。

これは、桶谷そとみ先生らが勧める赤ちゃんとの接し方とも重なる。決して、ほったらかしにして自然に任せればイイと言っているわけではない。

もっともそこは畑であって、自然の野山ではない。木村が自然を観察したのは、リンゴの木を育てるためだ。・・・そのためにはリンゴの木と畑の生態系を調和させる必要があるわけで、それが木村の重要な仕事だった。・・

・・リンゴの木は、リンゴの木だけで生きているわけではない。周りの自然の中で、生かされている生きものなわけだ。人間もそうなんだよ。人間はそのことを忘れてしまって、自分独りで生きていると思っている。・・農薬を使うことの一番の問題は、本当はそこのところにあるんだよ。

農薬を使わない分、手間がかかる。決して便利でも、簡単でもない。でも、その一つ一つに向き合うことで、初めて身の回りで奇跡が折り重なっている。と思える。

それはリンゴ畑に限った話しではないハズ。・・

だから、身近な子育ての中で、たとえ些細なコトでも、沢山の奇跡に気づけたらイイなと思う。・・(←その瞬間を見過ごせば、二度とは出会えないかもしれない奇跡。)

そして、その気づきの分だけ、ちょっとでも子どもたちや社会が良くなったらイイなと願う。・・<おわり>