N e w  Y o r k B l o w -NYでもタコ焼きを焼く英国人へ- -412ページ目

SASURAIの... 【1/6 追記】


21日より渡米するというblog仲間(と呼ぶのか?)の、
SASURAIさんがNY訪問。
連れの女子高生と、デコボコ・コンビといった風。(失礼!)

連れの女子高生が居るという事を突然知らされ、
この女子高生は来年正規留学を目指しているので、
学校の下見に来たと言ったこの子は、
終始私に「?」を与え続けた。

クリスマス直前にアメリカの学生は、
学校終了前のレポートや作品提出で必死コイてるのに、
日本の学生を特別に見学させてくれるというのか?
と思ったからだ。
それに学校や学部に因れば20日前に終了しているから、
翌日の22日以降に見学なんて無理だ...。
どうやってアポを取ったんだろう???
興味が沸いた。

先づは待ち合わせた場所から一番近い
ロックフェラーセンターに行って、
夕暮れ時から綺麗に見えるクリスマス・ツリーを
早めに見せてあげたかったので、
そこへ連れて行った。

そしてその後夕飯時と重なったので、
地下のレストランで食事する事にした。
そして話を聞いて漸く合点がいった。
連れの女子高生は映画撮影の勉強をしたいらしく、
NYの学校と西海岸の学校の比較をしたかったらしい。
しかし学校とのアポは何にもなく、
学校見学なんて単なる「妄想」にだった。
(学校の外側だけ見て帰ると言ってたが、
 その為に親が金出してNYまで来たというのだろうか?)

後、学費が安いと誰かに吹き込まれていたらしい。
彼女の目指す学校は、NYでもとりわけ学費の高い学校で、
それどころか、教材としての映画撮影、
実習成果発表の為の映画撮影に関する費用についての計算は、
全く考えていなかった。
(映画撮影学科は、美大と同じく作品を提出するのが、
 テストになるのでそれが習熟度採点対象になる)
それにセンスを問うテストが有ると話すと、
すぐに笑みを失った。
私から聞く事は、全て予測外のことだという事だ。
一体、誰から何を聞いているのか...。
(それを感知せず送り出してる親も親だ)

映画はTVとは違い、本当に費用が掛かる。
カメラ代(修理代等)、フィルム代、現像代など、
自分の持ち物で代用出来る物意外に、
絶対必要になる費用が本当に高いのだ。
私も仕事柄、映像関係の留学の相談を受けたり、
渡米後にも、人員が必要な事がありそんな時に、
今までに何人もバイトで雇った事があるが、
一般教養+専門課程+課題制作+制作費工面のバイトと、
何れも自分を殺すような毎日を送っていた。
若いから出来る神業だ。
アメリカの学生ですらそうなのだから、
余程資金的余裕の有る留学生で無いと、
3-4年なんて持ちやしない。
勿論コレは普通の米国人+語学に問題の無い学生の事であって、
語学に問題のある学生は、上記の他にESLに通いつつ、
専門のカウンセリングを受けねばならない。
だから、もっと時間的な切迫感が大きくなる。

第一、留学生のバイトは制限されており、
出来たとしても米政府へのリポート提出が
各学校に義務付けられているので、
出席日数・出席時間・学力評価も細かく査定される。
彼女の親は、そんな事きっと知らないのだろう。
チョット遠い専門学校に行かせる位に考えているのが、
関の山だろう。
学費+教材等付随諸経費+生活資金と、
年間数百万掛かるのは必至だ。それも最低額として。
学力の事もあるがセンスもかなり必要で、学費も含めて、
何も下調べすらしてきて無い彼女には、
一先づは西海岸の学校を推薦しておいた。
記念写真を撮る時の様子からして、
イチから教えてくれる学校の方が、
NYのよりもあってるんじゃないかと思ったからだ。

同伴の女子高生はこんな具合だったが、
当のSASURAIさんはというと、
会って30分もしない内に、
ツリー写真撮影の為に順番待ちする居る私達を無視して、
どんどん割り込むアホ外人を、
次々シバいたりしていたのを見て、
(勿論、殴る蹴るはして居ない(内心ではしてたけど))
それを「辛口」と評していた。
この国では「自己主張」しない事には始まらない事を、
彼女達はまだ知らないからそう言うのだ。

SASURAIさんの話の中で判ったのは、
「3ヶ月程の語学留学」をするのが目的らしかった。
それは「その過程が終わったらどうするの?」という
私の質問に明確な答えが返ってこなかったからだ。
どちらかといえば日本人女性にありがちな、
「憧憬留学」だ。

「留学」する事が目的で、その後の事は考えていない典型だ。
一番多いパターンで、こっちに居て、
在留邦人がガイジンから一番批判されるパターンだ。
私は人それぞれのやり方があるから、
別にそれがどういう形であろうが、関係ないと思う。
しかし、それが国境を越えたものであれば、
明確に自分の意思を明示して、それに対する忠実さを表し、
それを留学したい国に書類・面接等で明確に提示せねばならない。
日本を離れて日本の居心地の良さを噛み締めるであろう彼女達。
結局嫌気がさして出てきた筈の日本が、
一番心地よい場所だと気付くのだ。

働いてお金を貯めて、仕事を辞めて留学をする。
男には出来ない思い切りで多くの女性は海外を目指す。
そして留学を終えて何かを得た人、得なかった人夫々だ。
当然行く学校や、環境にも勿論左右される。
しかし一番大事なのは、自分がどうしたいかだ。
日本に居れば、いい加減な事をしていても、
何とかやっていけたりするが、
それが外国でも出来ると思ってくる人は、
はっきり言って、来ない方がいい。
特にいつも他人を巻き込み、その世話に助けられている人だ。
自覚して無い人が多いから、それが一番厄介だ。

今回の女子高生がいい例だ。
アポなしで一体何をしようとしていたのか、皆目判らない。
留学した言っても、親の教育予算が幾らかも判って無いし、
それで金の掛かる学校の、金の掛かる学科へ留学するなんて、
呆れて物も言えない。

親も親だ。
第一の目的の学校訪問が出来ないばかりか、
OB、OGの誰一人と会う予定すらない、いい加減な予定で、
一番海外が立て込むクリスマス時期に大事な子、
それも「娘」を数ヶ月前に知合ったばかりの人に預けて遣るなんて。
それなりの親子間の信頼が有ると思うが、
そんな信頼で、子供を危機から救えるとでも思っているのか。

きちんとしたデータや情報に基づいて動かなければ、
痛い目をするのは自分なのだ。
幾ら行きたくても、入国拒否に遭い、ブラックリストに載り、
完全にその国に行けなくなる事だって有るのだ。
日本でなら親兄弟がかばってくれるかもしれないが、
そういった甘ちゃんな気持ちで来る位なら、
悪い事は言わない、止めた方がいい。
「国をまたぐ」と言うのは、そういう事なのだ。
全てが最終的には「国際的政治問題」に繋がっていくのだ。

日々の生活に嫌気がさして出て行く人は、尚更だ。
もっとシビアな眼で見て、日本を発って欲しい。
第一外地で生活するなんて、全然かっこいい事でも何でもない。
ただ必要に迫られているからだという事が多い。
それに、何か起こっても日本大使館が、
驚く程何もしてくれない事に気付かされて、
個人である私達が泣きを見るのは明らかだ。

留学そのものを非難する気は毛頭無い。
だが、日本人特有の甘チャンな考えで、
「何とかなる」と思って来るのは大間違いだ。
テロ後、各国の入国審査は殊更厳しくなり、
審査基準もより精度を上げた物になってきている。
外国に上陸できるのは「友好国の条約があるからではなく」
相手国が「情けを掛けてくれているから」上陸出来るのであって、
入国審査官に因れば、簡単に難癖をつけられて「別室へ...」となる。

入国審査官は、国家元首、王様、女王、王位継承者と言えども、
入国を拒否出来る職務権限を与えられているのだ。
単なるハンコつきのオッちゃんやオバちゃんではないのだ。
とてつもなく強い権限を有している事を、認識しておかねばならない。
米国に入国する時に書く、緑の書類にするサインの意味は、
彼らの言う事に異議申し立てをしない、
詰まり「言いなりになります」と言う意味でのサインなのだ。
だから、何か納得出来ない事で難癖つけられても、
白を黒だと言われても、「全て了承します」と言う意味だ。
そんな事を理解し乍ら、あの書類にサインしているだろうかと思うと、
かなり怖い、相手の言い分だと毎度思う。

そしてそれをパスしたからといって気を抜いて居れば、
数ヶ月間の「留学体験」はあっという間に過ぎ、
「楽しい」だけでもっと残りたいと思う筈だ。
だが、「楽しい」だけでは成り立たないのだ。
日本人はもっと厳しく自分を見てもいい頃になっていると思う。
平和ボケも、世界では通用しない事を。

SASURAIさんには、是非何かを得て欲しいと願っている。
彼女もどうやら他人を巻き込んでは、
何とか難関を凌いで行く部類の人の様だから、
自分の出来る可能性を見極めて、伸びる所は伸ばして、
諦めないといけない所は見切りをつけるという事を、
この3ヶ月の留学で感じて欲しい。
女子高生の彼女共々、もっと自分を知る事が大切だと気付き、
いい点を大いに伸ばして欲しいと思う。

そういえばSASURAIさんが以前勤めていた会社を
私が知っていると言えばひどく驚いていたが、
別にそんな特別な事ではない。
日本に居る時に仕事を発注した事があるだけだ。
今でも知合いも多数居るし、多少内情を知っているから、
尚更彼女の置かれていた状況が多少は判ったので、
余計に頑張って欲しいなぁと思った。
語学力でもつけば、
もっといい仕事にありつけるかもしれない。

最初はお茶でも飲みながら、
留学に備えての不安などを解消の、
お手伝いが出来ればと思っていたが、
結局は、観光案内のような物になってしまった。
ま、シーズンがシーズンなだけに、仕方なかったかなぁ。
彼女達の時間を無駄にしなかったと願いたい。
そして、また成長した彼女達に会えればと思った。