N e w  Y o r k B l o w -NYでもタコ焼きを焼く英国人へ- -354ページ目

リーバイスの秘密兵器


先日送られて来たプレス・リリースに面白い物があったので、
こりゃ、見に行っとこう!ってな感じで、ソーホーに行った。
やって来たのはリーバイス。
そう、あの世界ブランドのジーンズメイカーのリーバイスだ。

服を探しに行って一番面倒だなと思うのが試着。
試着室を待ったり、待って脱いで着て(穿いて)、また脱いで。
自分にフィットする製品を見つけるまでこれを繰り返すのだ。
選択肢の多い人程、目移りしたり、細かい事に凝ったりと、
選択する為の手間は増える一方だ。

それが例えジーンズ1本を探しに行っても同じ事で、
『ジーンズ』という人括りの中でも、
ストレイトだ、ルーズ・フィットだ、スリムだ、
ヒップハングだなんだと、増殖した種類は数知れず...。
簡単に高がジーンズ1本...とは侮れないのだ。

そこまで発展したジーンズ産業の雄リーバイスが、
そんな手間を省いてくれる超便利グッズを電子技術関連メーカーに発注。
その名も、『インテリフィット』。
何処かで聞いたような名前...と思うと、大手ウェディング・ドレス販売の、
デイヴィッズ・ブライダルにあるのと同じらしい。
ま、そこに設置された機材を見たのは4年位前なので、
最新型を見たいと思って、クルーと一緒に行った。

行ってみたら並んでる...並び過ぎ!?!?って位並んでいた。
意味判んないけど珍しい機械が設置されているので、
なに?なに??と当然人だかり+長蛇の列。
新し物好きのニューヨーカーのハートを、ググッとキャッチ成功。
「体験したい」と続く人の波は留まる事は無く、途絶える様子は無い。

この機械は電磁波を利用しサイズを測定する物で、
元々は空港のセキュリティ・チェック用に開発された技術を応用し、
人体の体型を測定する機械としてリーバイスの依頼で開発された。
機械自体は数年前から有る物なので、クライアントの要望により、
測定する部位やサイズ等を選択出来るようだ。

最初に見た機械はウェディング・ドレス販売店に有ったので、
リーバイスの様に下半身だけでなく身体全体を測定する必要が有るので、
売りたい商品に合わせてカスタマイズするようだ。

って事で、リーバイス・デザイン部長に詳細を尋ね乍ら、
機械の操作方法や、サイズの採寸方法等を取材した。
インテリフィットは、直径2m位のガラス張りの円柱形で、
判り易く言えば大きさは車椅子用トイレの個室程度。

操作台横のドアからその測定器内に入り、
腕を身体に付けない様にペンギンみたいに少し広げる様にして、
両肩に電磁波が良く反映されるパッドを置いて、
地面にプリントされている肩幅位の足型の上に立つ。
室内には電磁波を当てる為の幅20cm位の板状棒が、
円柱内円の壁側に天井から降りていて、
機械が作動しだすとこれが円柱形のガラス張りの室内の内側を、
身体を取り巻きながら360度ぐるっと1回転し測定する。

そしてこれから出る電磁波で身体の200箇所以上のサイズデータを収集し、
これ等のデータを下にモニターの体型を立体的にイメージする事により、
その体型に合ったジーンズのサイズは勿論、
似合うだろうと予測されるパターンも推薦されるのだ。


その間、何と10秒!!


10秒でっせ!!


スゴイ!!


キョエーーーーーーーッ!!



余りの速さに某食品会社の『2分で、ご飯』ってのを思い出した位。((*^ω^)//~
メッチャ早い!しかも正確!!言う事ナシッ!!!ってな感じ。
そして測定結果は1分足らずで長いレシートみたいにして印刷され、
顧客に手渡されてそれを持って自分で製品を探し、試着するのだ。
必要なら係員が個別にアドバイスをしてくれるという形だ。

これで彼是とスタイルと選んで、サイズを探して試着という事をせずとも、
商品名の書かれた棚を探し、そこで正確に測定されたサイズの商品を手に取り、
そのまま試着室へと向かえばいいだけだ。
推薦されたデザイン等が気に入らないという事は有るかも知れないが、
少なくともサイズが大きい、小さいという事は無く、
サイズ探しの煩わしさからだけでも解放される。
デザインも試着室に入るまでに広げて見て確認出来るので、
例え推薦されたデザインとは言え闇雲に持って入る事も無い。

そりゃ、こんな機械どんな客でも使いたいわナ...と思う商品。
客にすれば、忙しい時間をアホ接客で浪費される事も無く、
自分のサイズが正確に測定出来るだけでなく、
体型に合ったデザインも推薦されるので、
何時も同じデザインしか買わない客には違うデザインに出会う可能性が出来、
何時もと違うデザインを買いたいと思う客にとっては、
店員に聞く手間が省かれ、どちらにしろメリット大。

外人って何につけ日本人みたいに色んな種類を持つ人は少なくて、
いつも同じ商品を買い続ける傾向にある。
うちの相方もこの性質を持っており、ジーンズに限って言えば、
501のボタン式ジーンズしか買わない。
だからこれを導入する事によって他の製品を売込むチャンスを作る為、
開発段階でリーバイス・デザイン部が全面協力をしたのだ。

同時に店にすれば、何人もの店員を置く必要が無くなり、
またその店員の商品知識が例え低かったとしても、それを十分補える。
そしてその店員が一人の顧客に割く接客時間が圧倒的に短縮出来、
一人当たりの接客数の向上を図る事によって、人件費の圧縮が可能になる。
勿論、今迄以上に店員の商品知識を短時間で教育し、
それが満足ではなかったとしても直ぐに現場に配置出来るのは、
会社としてはメリットだ。

私達4人は実際に測定して貰い、お勧めのデザインも試してみた。
確かに体型に似合うデザインをピックアップしてくれるので、
イチから探し出す事を考えれば手間隙省略出来る。
しかし一見店側に有利な前述の様な事は、
裏を返せば店員の教育不備とプロ意識下落の呼び水になり、
タダでさえ教育水準の低いアメリカの店員のサービス+知識低下は、
より一層加速する可能性が出てくる。
この機材投入を決めても、店員の教育水準+期間は、
今迄以上に上げる必要が有ると思ったのでそれを指摘すると、
今はまだその前段階なのでと茶を濁された。

顧客には何故このデザインなのか、このデザインに合うシャツは?等と、
特にいつもと違ったデザインを勧める場合には、
今迄と違う組合せを考えた場合のアドバイスも必要になるからだ。
初めての製品を買うか否かは、ひとえにココに掛かってくる。
それを店員がどの程度の強弱で各顧客に必要なのかを見抜かねばならない。

当然この機械の導入で企業イメージ向上と客足増加は言うまでも無い。
しかも増加した顧客数の維持をどうするかも今後の課題として残る。
どの道課題は残るにしろ、顧客の満足度が上がる事は間違いない。
この機械を使い「つかみはグー」状態の顧客を、
取り零す事無く完璧に購買に繋げる状態にするには、
矢張り商品知識の豊富な「店員ありき」だという事を、
アメリカ市場が覚えているかは不安ポイントだ...。(超日本的?)

インテリフィットは未だテスト使用段階で、
ニューヨークの後はシカゴ等全米を巡回設置し、データ集積する予定。
リーバイスでは顧客の評判や売上経過観察をして、
本格導入するかを決定するらしい。
日本への設置は、残念ながら現在の所、予定は無いそうだ。
(日本の方が、アメリカよりも喜ばれると思うんだけど)

当分はモニター+データ分析に時間を掛けるが、
個人的には顧客に「亀よりノロく、動物以下の知識の接客」をされるよりも、
これの方が100万倍早いので是非本格導入して欲しいと思っている。
アメリカ地方にお住まいのジーンズをお探しの方、
単なる新し物好きの方、奮ってお試し下さい!!


【リーバイス/インテリフィット 巡回設置予定地】

シカゴ・ミシガン・アヴェニュー      4月 5-11日
ダラス・ギャレリア             4月19-25日
サンタモニカ                 5月 3- 6日
サンフランシスコ・ユニオン・スクエア  5月17-23日

*巡回中は店舗利用者や顧客は誰でも使用可。
*但し、妊婦/ペースメーカー装着者は使用不可。




【 今 日 の リ ン ク 】

計測するインテリフィットが見られます。
インテリフィット(NBCニュース/Windows Media)