N e w  Y o r k B l o w -NYでもタコ焼きを焼く英国人へ- -352ページ目

期間限定!遊牧美術館


今月5日に、うちの近所に新しい美術館が出来た。
だが何処を探してもニューヨーク美術館リストには載ってない、云わば幻の美術館だ。
なんて大層にいう事はないか。
この美術館の名は、ノマディック美術館。
既にそのこの美術館の秘密が隠されている。

去年9月に始まった建設工事は半年後のオープンを目指し、
予定通り5日オープンの運びとなった。
たった半年で出来上がるなんて、???と思われるだろう。
だってMoMAの建て直しでも3年掛かってるのに、
半年なんて、木造3階建て?と思う筈。
この美術館はその美術館自体が話題の的なのだ。

ノマディック美術館は、148個のコンテナと紙の支柱からなる、
『移動美術館』なのである。
ウェストサイド埠頭のハドソン・リバー・パークに、
デーンとおわすコンテナの山、そのものが美術館なのだ。
このノマディック美術館は3ヶ月間の「仮設美術館」で、
ノマディックと有るように、ノマドという遊牧民の名前から来ている。
遊牧民が使う移動式住居のパオの様に、
世界を移動可能な美術館である事を意味している。

この移動美術館の凄いところは写真の様に、
148個のコンテナを1個おきに配置し、コの字に囲み、
その2段目も1個おきに配置して交互に重ねて、
その中心は紙製の頑丈なパイプを使い、見事な展示施設としており、
それだけでなく、この美術館として使われているパーツは、
その外側として使われているコンテナに全て収納されて、
それで世界を移動するのである!!
これを聞いて移動まで考えたとはスゴイ!と思った。
でも、誰が?と同時に思った。

そしてこのノマディック美術館のデザインを、
再生紙建築で知られる坂茂(ばん・しげる)氏が担当したと聞き、
瞬時に納得した。
坂氏は、紙で家を作ったりしている、ある意味エコ建築士。
その坂氏がプランニングしたと聞けば、疑問も自ずと解消される。

設計はドイツ人か、日本人だろうと漠然と思っていたのだが、
それが坂氏だと聞いて、
「ああ、やっぱりアホ外人(が作ったん)じゃなかったんだ...」
と思った。
本当に画期的なプロジェクトで、先日セントラルパークで行われた
「The Gate」なんかに負けるどころか、
ブッちぎりの、エラ勝ちプロジェクトだと思った。
で、「何でコンテナなの?」と坂氏に取材。
すると、「船のコンテナは世界統一規格なので、
何処の国へ行っても荷揚げして貰えるから」と、
なんとも納得のいく選択理由。やっぱり、日本人!!

この画期的な美術館で作品を展示されているのは、
カナダのグレゴリー・コルベの作品。
写真とフィルムで構成された200点を超える作品群、
「アッシーズ・アンド・スノウ。」
「自然を生きた傑作」だと動物を語るコルベは、
ケニア、ビルマ、エチオピアなどの世界各地を巡り、
象・鯨など動物と人とのコラボレイションを作品にしている。

このプロジェクトは13年もの長きに渡り、未だ現在進行中。
漂白するオデッセイの叙事詩に準えいるようで、
再生・継続するノマディック美術館のコンセプトともオーバーラップし、
見る側に色んな意味での勘繰りをさせる為、
双方の興味をそそり、それを維持していくパワーに変える。

この展覧会の企画は、非営利美術・自然保護団体の、
The Bianimale Foundationの後援で、
会期は6月6日まで。
ニューヨークを旅行される方には、昨日のフラワー・ショウと同じく、
ニューヨーカーでも見られないかもしれない
3ヶ月間という短期の期間限定イヴェントなので、
是非作品だけでなく、美術館もじっくりご覧になって頂きたい。
展示作を見るだけでなく、この建物自体を見る事を考えれば、
$12の入場料は安過ぎる。



【 今 日 の リ ン ク 】

アッシーズ・アンド・スノウ

場  所:Hudson River Park’s Pier 54
      @ West 13th Street

開館時間:火-木 11-19時
     金-土 11-20時
      日  12-17時   月曜休館
       
入 場 料:大人                 $12
     学生・シニア(ID提示)       $6
     子供(12歳以下と乳幼児)      無料
     団体(10名以上・要予約)      $9.50

お得情報:木曜11-15時は任意価格なので、
     自分の支払いたい値段を支払えば、
     入場出来ます。(上記額よりも下でも可)

○チケットは上記サイトでも購入可能。
○団体予約は、212-253-9552へ。