N e w  Y o r k B l o w -NYでもタコ焼きを焼く英国人へ- -124ページ目

青い鳥

ジョンイルにキックをかまされ続けている日本の状態を見守るべく、
暫くUNの前でぶらついていたので、(強制的に)
本当はメチャメチャ行きたかったのに、
この2週間ほどマンハッタンの家を空ける事が出来なくて、
漸くNJの家に行ける様になり、行って来た。

気分転換をさせてくれるNJの家は、
マンハッタンでせせこましい毎日を送る人間には、
本当に有難い場所だ。
そして漸く先週末NJの家に行く事が出来た。
でも今回はちょっと違う意味合いがあった。

「気分転換」これも大事だが、今回だけはちょっと違ってた。
それは4週間前に見つけた小さい鳥の巣。
その巣には卵が産みつけられていて、
それが本当に綺麗な色だったから、
相方と二人でぐいぃぃぃぃぃんっっっ!と惹きつけられた。
その卵とは...。






青い卵!





相方とNJに車で行って着いて直ぐに二階へ上がって、
空気を入れ替える為に窓を開けに行ったら、
フロント・ルーム(兼客間)の窓から外を見た瞬間、
相方の眼に飛び込んだのがこの青い卵。

家の前に植えられている樹の枝の先に巣が作られ、
そこに卵が産み付けられていた。
その前の週には何もなかったのでこの一週間に作られたみたいで、
たまたま親鳥が餌を取りに行ったのか巣に居なかったので、
窓を10cm程開けてその場をそっと離れた。

それから静かに一階で食材の整理をしていた私を呼び、
そーっとフロント・ルームへ行って二人で卵を見た。
相方は新しい宝物を見つけた様に眼が輝き、
これから二人で見守ろうと小声で話し、
最後に相方がカメラで写真を撮った。

朝9時頃に着いて発見してから相方はやっぱり卵が気になるらしく、
家の手入れをしては見に行き、
ランチを食べては見に行き、
本を読んでは見に行き、
昼寝をしては見に行き、
テレビを見ては見に行き...と、
何かをして次に何かをする度に二階へ行っては、卵確認。

「何度も行かなくたって直ぐに孵らないよ」と言っても、
「ん~、ただチェックしたかっただけだよ」と言い、
相方はどうしても気になる様子。
ま、相方は動物好きだけど家で飼う事は出来ないので、
家の窓から見える卵を何度も見に行くのは、何とも微笑ましい。





そして今日、相方とNJの家に9時に到着して、
相方は脇目も触れず二階へ一目散に上がっていった。
しかし相方はがっくりした顔で下に降りて来た。
相方は、「卵が無くなっちゃったよ」としょんぼりと言った。
驚いた私は「ええっ!何で?」と片付けを途中で止めて、
相方と二人で二階へ駆け上がった。

すると先々週に見た卵は影も形も無くなり、
卵が孵って一週間で巣立ちなんて有り得ない話なので、
猫か、鳥に食べられたんじゃないかと相方はがっかりした。
たった二週間来れなかった間に、卵はどこかへ消えてしまい、
相方は落ち込んでしまった。勿論私もだ。
二人で雛が孵る所からその巣立ちまでを、
見届けようと楽しみにしていたのに...。

その後相方は仕方ないよと言い遣り掛けの大工仕事をし、
私はキッチンで夕飯の仕込みとランチの用意をした。
残念だったねと互いを慰めたが、矢張り楽しみにしていた分、
落胆の度合いが激しかった。
だって、もし親鳥が帰って来なかったら自分で暖めようかと言う勢いで、
既に我が子のように楽しみにしていたのだから。

それからは普段通りに他愛も無い会話や大工仕事、キッチンで料理したり、
工作したり、アイロン掛けしたり、植木の手入れや散歩に出掛けたりと、
リラックスした時間を過ごしていた。
そして夕飯にしようかと言い、最後の火入れに取り掛かった。

今日の夕飯はスパイシー・ポーク。日本語で言うところの、焼豚。
本当は三枚肉で作りたいけど、三枚肉が買えないので腿で代用。
がっかりした相方をちょっとでも力付け様と、
最初に考えていた魚料理よりも相方の大好物のこれに急遽変更したのだ。
今日のメニューは...

●焼豚(合計1時間の煮込み+30分のオーブン焼)
●ルッコラ+水菜+晒し玉葱+スモークド・コールド・サーモンのサラダ
●鳴門若布と豆腐の味噌汁
●マグロの漬け


美味しく夕飯を頂いた後はレンタルDVDを見るべく、
フロント・ルームに移動しておやつのアイスと氷水を持ち込み、
映画を鑑賞した後、さあもう寝ようか...と言って振り返り、
相方が静かだったので相方を見ると、







相方の瞳に涙が...!











聞けば相方、
卵のことを思い出して
泣いてました...。































何処まで純真なんだ!


























余りにも相方が可愛そうで純真なので、
暫くよしよし...と頭をナデナデしながら、
「また来年来るよ」とあやしました。

そんなこんなで来年こそ、青い鳥が見られるかナァと、
ちょっとロマンティックな事を考えた週末だった。
青い鳥、見てみたいナァ。
見たら幸せになれるのかも。

だけど、今目の前で泣いてる相方が、
私にとっての青い鳥なのかもしれないとふと思った。
やっぱり相方のこういう所が、
心に棘が刺さる仕事で毎日を過ごす私の、
安堵の場所になっているのだろう。






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