箱根湿性花園にて開催中(7/15〜9/3)の食虫植物展で見た植物達を駆け足でご紹介します。

すべて2023年8月7日に撮影した写真です。


今回はハエトリグサです。

モウセンゴケ科ハエトリグサ属の食虫植物です。

背の低い草本です。

茎は短縮して地中にありわずかに横に這い、ロゼット状に多数の葉を出します。葉の付け根は肥大化して地下茎と共に鱗茎型の球根を形成します。葉には長い葉柄があり、先端に捕虫器になった二枚貝のような形の葉を付けます。周囲には棘が並びます。花はこれらとは別にあり、花茎を伸ばして白い花を数個付けます。




ハエトリグサは、捕虫器の内面に3本の棘があり(4本の物もあり)、ここに虫が触れると葉を閉じ周囲の棘が内側に曲がって葉が開かないように虫を閉じ込めます。閉じるまでの時間は約0.5秒。棘に対する刺激は一度では作動せず、2回触れるか2本の棘に触れるかした場合のみ閉じます。これは雨粒の落下などによる無関係な衝撃からの誤作動を防ぐシステムなのだそうです。実際、虫を取り逃がした場合にも葉は閉じたままで、半日から3日ほど経過した後に葉を開くのだそうです。消化吸収には10日ほどかかり、1つの葉が獲物を捕らえることが出来るのは4〜5回まで。いたずらで葉を閉じさせるのを繰り返すと、株全体がエネルギー消費に耐えられず弱ってしまい、やがては枯れてしまうそうです。


北アメリカが原産です。