小説 ♪絶唱♪ -2ページ目

小説 ♪絶唱♪

ドキメンタリ-風小説絶唱
epilogue《エピローグ》
小説それから
第3部 こころ 75歳になった男が感じる天の役事
第2部 共鳴太鼓 未来を背負う若き世代の物語
第1部 やまぶきの花 戦後まもなく生まれた男が生きた昭和、平成、令和の物語。

  

 橘京助は勤め先の介護施設の設備課にパート従業員として入社して7年目を迎えてしまった。勤務時間は午後1時半から1日4時間、1週間4日、勤務曜日は土曜日曜祭日に関係なく正社員のスケジュールに合わせて勤務表が通達される。

 今年の4月から5月の連休も4月29日の昭和の日の休日は出勤日になっていた。5月も1、3(日)、4、6、8、9と仕事だった。

 かって大手コンビニチェーン店に納品していた弁当屋さんに勤務したことが有った。土曜、日曜、祭日。春、夏、秋の行楽シーズンは最も忙しい期間だった。全国にコンビニが少なかった1980代だった。師走クリスマスから冬休み、正月のスーパーマーケットが休日になる期間は目まぐるしいほど忙しく長時間の勤務も経験した。

 人々が‶楽しむ時間”に‶働く”意味も解った。その時間にこそ”人は喜んでお金を払ってくれる”事も・・・

 

 京助が連休前に上司から依頼されたのは施設の13階にある古井戸の木枠を新しい木枠に造り変えてほしいという依頼だった。

 近所のホーム―センターで五センチ角×長さ3メートルの角木材を購入してから苦闘が始まった。先端の汚れと直角に切断されていない部分を切り取る工程からだった。電動工具は最低限は揃っていたが・・・ 

 計測の結果、横木の長さ55センチ柱30センチだった。電動ノコギリで切断して気が付いた。

 真四角の木柱のはずだったが変形していることの気が付いた。

 切断する前に材木の表面の表面を電動カンナがけしたが作業台を置いたコンクリートの床が傾斜しているのに気が付かなかった。

 それで解った。同じ職場の1人が作業台の上に水平器を置いて縦と横の水平を確かめてる意味が・・・・・

 京助は終業時に事務所の同僚の西田善幸に言った。

「君が簡易作業台に使っている卓球台に水平器を置いて作業台の平行を確認していたのが今日理解できたよ」

 西田は言った「僕もね床は何処でも水平だと思っていたんだ。でも精度を要求されるモノをカットする時など作業台の水平をキッチリ確かめておかないと何度も失敗したからね。木材など凸た部分を削れる材料は良いんだけれど金属などを切断する時は少しのズレが最後には何センチにもなってきた事もあってね。それからだね、確認するようになったのは・・・。

 最近は便利になったね。スマホで水平を確認できるアプリもチャンと入っているんだね」

「スマホにも・・」「スマホの東西南北を調べるためのコンパスのアプリの中にチャンと組み込まれているんだね」

 西田に教えられて京助もスマホの‶コンパス”のアプリを開いてみた。

 白ヌキの外周と少しヅレが生じた白ヌキの円。

 ピッタリ重なると濃い緑色の円が塗りになった。

 「最近はちょっとしたことはこれに頼っているんだ。これだと面の傾斜が良く判るからね。作業台の4つの足の長さを調整しながら、長尺の水平器だと縦にして横にしてと何度も計測し直さなければならないからね」

 京助は「スマホが一台あればドラえもんの何でもドアみたな機能だね」と言って笑った。

 西田は「・・・?」だった。

 

 京助は帰宅して妻に言った。「会社の同僚に君のお父さんみたいな人に出会ったよ」

「?・・・?」

「作業する前にきっちり準備するんだね。貴方のお父さんも作業する道具も何時も綺麗にしていたものね」

 京助が知っている義父の岩本久一は生業の大工の仕事は引退していたが職人の姿がいつも身についていた。義母の森林組合の仕事で使用する木々の伐採用の刃物の研ぎ方は真剣だった。

「父は神社や旧家の建物の修理や建て替えなどの大工仕事を依頼される職人だのよ。その時の写真は残っているけど腕前は確かだったようよ。ちょっと職人の有り勝ちな偏屈だったけれどね」

「それは職人なればこそ長年の積み上げたモノが結果として現存している事こそ、『自己証明書』だもの」

「・・そのおかげで母も少しは苦労したようだけれどね・・。ところで父と似ているという話の発端は何なの?」

 京助は仕事場での『水平と垂直の木材のカット」の顛末を話した。

「最近はスマホにも水平器の機能が入っているんだね。教えてもらって始めて知ったね。ドラえもんの何でもドアだね」

「・・?ドラえもんは‶どこでもドア”じゃないの?!」と笑った。

 妻は「水平と垂直の話ね。二つが出会うのは90度の位置っていう話ね。昨日読んだ訓読本にも有ったんじゃない」

 縦的な真の父母と横的な真の父母の愛は常に最も速い速度で最短距離を通過します。したがって神様から地上に降りてくる真の愛は最短距離である垂直線で降りてきます。男性と女性も愛もまた最短距離で通過し水平線を形成します。垂直的な真の愛が水平的な真の愛と出会うようになるとき、その交差点は絶対的に90度になるしかありません。その他の方法ではこの愛の線は交差できないのです・・(天一国経典「平和経」第5編絶対価値と新し世界秩序22真の統一と一つの世界)~次回に続く