1月23日衆議院が解散された。午後1時過ぎから始まった第220回国会は冒頭額賀衆議院議長が開会を宣言した後、
盆に載せられた証書を副議長を開いて読み進めた。
「只今内閣総理大臣から証書が発しられた旨、今から朗読をおこないます。『日本国憲法第7条のより衆議院を解散する』議長席に向かって左側の席の議員からバンザイを三唱がおこった。その後議長、副議長が退席、その後議員が国会会場から退席して行く。
政府は午後の閣議で27日公示、2月8日投開票の日程で実施すると表明した。
京助は日本、いや世界が、世の中が急激にどこかに向かって進み始めて行くのを感じた。
週が明けて火曜日、京助は車で近くのアウトレットモールに車を走らせた。12時が開始の映画を見るためだった。
駐車場に着くと入口近くに数十台の車だけだった。急いで1階の南端にある映画館に向かった。スクリーンで映画鑑賞なんて何年ぶりだろうか?・・・。県境近くの田舎町に住んでいる頃だった。確か長男が「千と千尋の物語」か「もののけ姫」が見たいと言ったのがきっかけで70キロの距離を車で出かけた・・・・
今から28年も前の昔話になってしまった。主人公サンの育ての親である300歳のメス犬神・モロの声優だった美輪明宏の圧巻の声に圧倒された記憶だけが残っている。
映画館内に入ると観客は3人だった。
前の席に一人
二列後ろに一人
子供の姿は無かった。
席に着くや否や場内の照明が消され、東宝映画のロゴの文字がスクリーン上に浮かびあがると共に音楽が流れ始めた。
音楽♪「最終局面という言葉が何度も頭を泳ぎる」♪「この長い戦いが今夜終わるかもしれない」♪
‶鬼滅の刃無限城編 第一章 猗窩座再来”だった。
予備知識としてネットで触りだけでもと思って開いてみた。
難解だった。漫画家吾峠呼世晴を「ごとうげこよはる」と
読ませるところから違和感があった。
時代設定が大正時代。昭和大正生まれ父母を持ち、明治生まれの祖父母を持つ昭和20年代の戦後の生まれの京助にとっても馴染みのない時代だった。
祖父母、父母のおかげで大正時代の生活環境や時代の空気が心身に記憶に残っていた。
映画は2時間35分と京助が中学生のころ公民館で観た時間以上の上映時間だった。
シネマ会場を出て駐車場に帰った来た時は3時近くになっていた。車のハンドルを握りなが思った。
登場人物から発せられる言葉の切れに鋭さを感じた。感情方言として「すごい!」「きもい!」と言った単語、感情詞ではなく文章表現としての俳句や短歌にといった日本語の文化的要素を多分に含んだセリフと奇抜な画面、しかもカラーが織りなす色彩、ここ数年目にするようになった光源のフラッシュ映像。
セリフの中に散りばめられた格言(かくげん)に似た人間の生き方や戒め簡潔にまとめた短い文章の数々。
それに合わせて日本人の「精神の底に心があり、心の底に魂があり、魂の底に、魂の核」を共鳴させられた。
自己を再発見させられる・・・。
京助は映画‶鬼滅の刃無限城編”が興した共鳴現象だと知った。もちろん自己認識だった。
「コミックス全23巻の全世界累計発行部数は2億2000万部を突破。2019年のアニメ化以降、世界145以上の国と地域でも上映されるなど、国内外で高い人気を維持している」とネットの情報に出てい・・・
海外の達の生の反応を自分の耳で聞いてみたくなった。
今週、2/8日曜日は衆議院の投票日、翌朝には選挙発表されるだろう。
日本の羅針盤が決まる。
磁場がうねり、磁気嵐が吹き始めた・・・
橘京助は今年になって更に大きな時代のうねりの渦中にあるのを感じた。
毀滅の刃の時代設定は大正時代。江戸時代から明治の大変革があって45年経った時代。
映画の設定時代と今年令和7年が何処か類似する時代のうねりを京助は感じたのだった。
映画『毀滅の刃 無限列車編』で煉獄杏寿郎が上弦の参・猗窩座に言い放った
・・・老いることも、死ぬことも、人間というはか儚い生き物の美しさだ。老いるからこそ、死ぬからこそ、堪らなく愛おしく尊いのだ・・・のセリフに痛く共鳴した。
精神の底ある心が、心の底にある魂が、魂の真ん中にある魂の核が・・
そう感じた。
京助は‶人の琴線の糸に触れる”という”日本語”を思い出した。
感動や深い共感を与えることを意味する
次回に続く