〇月〇日
「歯ト舌ノ夢」

以前ヨリ
歯ガ全テ抜ケ、口ノ中ガ
歯、歯、歯!
フル オブ テイス ト成ル
陰鬱ナ夢ヲ見ル。
此度ハ ナント
舌ガ抜ケル夢ヲ見タ。
抜ケル、ト云フヨリ
脱皮、ト云フノカ、
化石ノヤウニ
ゴロリ、ト
口ノ中二
青鈍(アヲニビ)ノ硬ヒ舌ガ
転ガル。
其ノ下カラハ
辛螺色(ニシイロ)ノ舌ガ
覗ヒテゐル。

其ノ 気味ノ悪サ二
夢ノ中デモ
ギヨツト ス。
目覚メ、
歯モ舌モ何ラ異常モナク
在ルベク処二
大人シク収マツテ居ル二
安堵ス。
大凶ノ前兆ノ御告ゲカ?

ハハハ!
所詮俗世二身ヲ置ク者。
其レデモ良ヒ。
現世二居ル事、
既二凶ナリ。


大好きなましゃと亀ちゃん、
あ、4代目 猿之助さん。
お2人の間には
「龍馬伝」よりも
ずっと以前から
交流があったとか。
文藝春秋でのお2人の対談を
読んで、
表現者としての使命感と
あるべき姿が情熱的に
語られていて、
アツいなぁ…と
思いました。

襲名披露公演、
いつ行こうかな。
誰と行こうかな。
何度行くのかな。


いいものは
何度観てもよくて
つい、もう1回…と
足を運んでしまうワタシ。
特にライヴや舞台は
ナマモノで、生身の人間による
ものだから
たとえ
同じ内容で
同じ演者であっても
寸前違わないものなんて
ひとつもない。

その発見がウレシクテ。

亀、いえ、新猿之助さんの
新たな出発を、
観にいかなきゃ!
(*´∀`)

ましゃの撮った写真で
作成された
襲名記念ポスターからは
お2人の魂がドドーンと
飛び出でてくるようで。

その繋がりがウレシクテ。


8歳の少女には癖があった。
授業中に髪を抜いては
机の横に掛けてある
バックの中にパラリと入れる。
髪を抜く時のプツリ、と云う感覚と時々毛根に付いてくる
透明の「さや」のようなものの
シットリとした感触に快感を覚え、いつしかやめられなくなっていた。

ある日、
少女の母親は娘のバックの中
から覗く大量の抜け毛の束を
みつけた。
娘の髪を掬ってみると、
右耳の少しうえあたりが
禿げてツルリとしていた。
(この子はキチガイかしら…)
我が子に僅かな
言い知れない不気味さを
覚えながら

どうしてこんな事をしたの、

と聞くと

髪を抜く時の感覚と
髪がなくなったところを
触るとツルツルとしているのが
気持ちよかったの。

と悪びれる様子もなく
答える。
女の子なのだから、と
母は毎朝禿げた部分を
隠すように髪を結んでやり、
電車で何駅かやり過ごして
禿げてしまった部分に光を当てる治療に連れて行った。

いつしか少女の髪は元に戻り、何事もなく大人になった。

……………
…………
………
………

女の鏡台のわきには
小物を入れるための
小さなくぼみがある。
其処には女のコレクション、
と云うべきか
長短様々の縮れた髪や
歳を重ねて生えはじめた
白髪のはしりが無造作に
置かれている。
毎晩の儀式のように、
女は毛抜きを手に
鏡に向かうと髪をかき分け
チクリと感じるほんの数ミリの
髪や醜く縮れた髪を
みつけては抜く。
ひとつの毛穴から数本の髪が
伸びているのが
女には許せなかった。
間引くように
その中から一番太く、
生命力のありそうな髪を抜いてはくぼみに置く。
目を凝らして
この一連の儀式を終え、
くぼみに置かれた抜け毛を
見る度に女は少女の頃を思い出す。
この癖がずっと続くであろう
ことも、
それが単なる癖ではなく、
「抜毛癖」「抜毛症」と呼ばれる
精神疾患のひとつであることも今では知っている。