彩のない化粧をし
腰まである髪を
後ろでひとつに束ね

身体に纏った
黒い薄掛の下の
袖のない真白な着物から
長くのびた腕と
素足の甲と指が
ぼんやりと覗く

跪き
両手を僅かに広げて
物憂げに俯く
其の姿がマリアのようだと、
僕にはそんな表情はできないよ、
というけれど
アタシがそんなふうに
映るとするなら
其れは
貴男がいつの日も
其処に居るからなのです。






しのびよるこひはくせもの。
蝋燭の灯りの中
傾城実は将門が娘
滝夜叉姫が
光圀の元に現はれ
惑わさうとするも
其の正体を見破られ
蝦蟇の妖術使ひとなつて
光圀を討たうと
髪を振り乱し乱舞する
妖艶古風な舞


昼となく夜となく
お側に控え微笑む日々
アタシのこころに忍んだ
慕ふ殿御の姿と
そつと此の腰に触れて
引き寄せる手の
優しさと強さに忍ぶ
殿御の想ひ
こひはくせもの、
こひはくせもの、と
舞つてみたふ御座ひます。
蝋燭の灯りの中
其の妖術に絡められ
殿御の舞ふ姫の虜となつて
忍ぶ想ひを胸に
果ててみたふ御座ひます。





弥生のよき日、
国立劇場での舞台を
無事に終了いたしました。

あの日
あの場所にいらした
全ての方々に
心からの
ありがとうを。

今夜
ハワイへと旅立ちます。
ひとあし先に行かれた
先生方、
お稽古場の方々と
5日間を過ごします。

たくさん笑って
たくさん食べて
たくさんキレイな空気を吸って
またお稽古に励みます。
羽田空港には
早くも鎧甲がー


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時は確実に流れています。