宮沢賢治の話をしていきたいと思います。
「此ノ世ノモノナラヌ」という賢治には似付かわしくない表現に、
「悪意」を感じ取ってしまうのは、私だけの感じ方でしょうか。
宮澤賢治が花巻温泉に反対していたのは、
「食ふものもないこの県で/百万からの金も入れ/結局魔窟を推へあげる」
ことに対する反旗でした。
それなのに、余計に費用と維持経費のかかる「電燈」を六箇も導入して、
ネオンサインのように強力な光を点滅させようというのですから、
まさに「魔窟」を推えようとする人たちと同じように、
無駄遣いと不毛な消費とを推進しようとしていると
いわざるをえないのではないでしょうか。