ポールソン財務長官がもっとも嫌がっていた金融安定化法による救済しか手がなくなりました。
ポールソン長官は安定化法(TARP)は金融機関にしか適用しないといい続けてきました。金融機関以外を救済すれば、産業界全体の救済の泥沼に陥るからです。
しかし、上院がビッグ3救済法を廃案にしたため、もはや、TARPを使って救済するしかなくなりました。
米政府、自動車業界破たん回避に向けTARP資金活用を検討 | Reuters
>TARPの残り資金3500億ドルのうち、活用法が決まっていないのは150億ドルのみとなっている。財務省は2500億ドルを銀行に投入するとしたが、これまでの拠出額は1553億ドルにとどまっている。他100億ドルはバンク・オブ・アメリカ(BAC.N: 株価, 企業情報, レポート)による買収完了を待ってメリルリンチ(MER.N: 株価, 企業情報, レポート)に注入する計画。
これを用いれば、一番巨大で年越しもあぶないといわれるGMは一時的に金融機関を迂回して資金を得ることができますので、生き残るでしょうが、いろいろなリアクションが怖いですね。金融機関だってクレジット、ノンバンクなどいろいろまだ残っているのに、なぜ自動車産業だけの救済かということにもなるでしょう。
とことん追い詰められましたね。