大学祭の思い出 | SMART広報『蛙の目』

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クチコミネタ:文化祭・学園祭の思い出

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大学一年の秋、初めての大学祭。クラスで展示とたこ焼き屋をやることになったのだが、お調子者の私は友達のK君と一緒に、もっぱらたこ焼き屋の準備を担当。凝って、レンガで炉を組み、そこにバーナーを入れてたこ焼きを焼くことにした。クラスの了承をとることもなく独断で先行。数日前から、レンガを買い入れ、炉を組み、女子に材料の買い出しを頼み、準備。

確か2日ぐらい徹夜して当日の朝を迎えた。

炉は厚い合板の上に組み、セメントで固めた。すっかりセメントも乾き、いい感じの屋台になっていた。ところが何を思ったか、朝になりちょっとだけ移動しようということになった。泊まり込んだのはK君と私だけだった。(実行委員か何かに移動を命じられたのかもしれないが、覚えていない)

ここまでくれば準備万端。テーブル毎移動することぐらい、大したことではなかったはずだった。

二人でテーブルの両端を持ちあげて、移動を始めた時、足がもつれてしまい、テーブルから炉が地面に落下。2日もかけて組んだ炉がバラバラになってしまった。レンガが割れたものもあった。

その瞬間はただただ唖然とするばかりで、しばらく二人でその場に立ち尽くしていたが、なんとかしなければならない。とにかく独断でやってきた二人の責任は重い。

幸い、まだ他の誰も来ていなかったので、気を取り直して、壊れた炉の応急修理に入った。まあセメントで固める時間はないが、積み木のように組み立てていけばなんとかなる。かろうじて形を残した部分もあったので、小一時間の作業で、組立てあがった。

みんなの集合時間には間に合った。改めて組み立てた炉を見てみると随分と味のあるものに仕上がっていた。

クラスのみんなにはあまり落下事故のことは話さず、これが最初からイメージしていた屋台だというようなことを言ったと思う。

いざ学園祭が始まると大変なにぎわい。途中、火力が足らずに生煮えのものを売ったり、材料のタコが足りなくなって買い出しに走り、その間タコの入らないたこ焼きになったりと今考えても冷や汗が出るが、とても楽しかった。

売上も大変なもので確か四万円くらいになった。

われわれが売り上げたたこ焼きの収益は、展示の方の費用を十分に賄ったし、そのあとの打ち上げコンパの費用にも回せた。当然、二人はヒーローとなったのである。

もう、30年以上前の話だ。K君はどうしているだろう。あの時、足を取られてバランスを崩したのは、私だったが、彼は一言も責めなかった。