いつもと変わらない日々の中できっと常識は私の中に広がっているのだろう。目にしたものさえ、自分の目を通しているかぎり、そこにあるかどうかさえわからないはずなのに。映画マトリックスの世界だってありうるかもしれないのに。
そんな日常にガツンとくる体験をこの前した。3年ぶりにアメリカに出張した時、IP電話のスカイプ を試してやろうとノートパソコンとヘッドセットを持っていった。日本の職場と定期連絡をとるためだ。実験は、あっさりと成功。LANにさえ接続できれば無料で電話がかけられる。あまりにあっさりと行き過ぎてつまらないので、skypeのサイト でもじっくり見てみようとのぞいてみると、そこにskypeout (スカイプアウト)のサービスの紹介があった。10ユーロをクレジットカードで購入すると、固定電話にも携帯にもかけられるというのである。早速10ユーロを購入(日本円換算で1300円くらい)して自宅に電話、こどもたちとかなり長く話した。一分が2.5円ちょっとなので30分はなしても100円かからないのでびっくり。
これで、私の電話の常識が崩れた。という話ではない。さらに驚愕の事実があった。
実はskypeoutの料金 は「どこからどこ」にかけたで決まるのではなく、「どこに」かけたかで決まるという事実を料金表を見ていて発見!!したのだ。
そこから、ひとりホテルのベッドの中で考えてみた。WEBの中から「どこに」かけるということで決まっているということがわかったときは、バーチャルってそういうことなのかと軽いめまいを覚えた。電話をかけている自分は世界中のどこにいようと、バーチャルにはネットの中にいるんだ!!もうひとりの私という実体が、ネット上に存在している妙な錯覚を、外国のホテルの一室で味わうのは、悪いものではなかった。