稚拙ショートショート

稚拙ショートショート

なんとなく思い浮かんだものを書きます

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大学へは電車を2回乗り換えて向かう。

毎日不安だった。

今日も、明日も、きっと卒業までこの不安は続くんだろう。


僕は難なく就職した。

いつもお世話になっている鉄道会社にだ。

やはり夢を実現できると嬉しさは格別だ。

マスコンに手をかける。

右足で警笛をならす。

少しずつ様になってきた感じがする。


やっと独り立ちした。


これで不安も無くなった。


・・・ん・・・ああ・・・うー・・・く、苦しい。

気が遠くなる。


まさか不安までも実現させてしまうとは・・・。

―神さまありがとう―


あなたが大地を創造し、人間も創造してくれたこと。

あなたが人間に思考力をもたせてくれたこと。

それゆえに人を愛するということができるようになったこと・・・。

私は今日、愛した彼と結婚します。

私はあなたを信じてきて本当に良かった。


あなたが思考力を持たせたが故に人間にも創造力をもたせたこと。

創造されたものに人間が囚われること。

それゆえに人を憎しむという感情があること・・・。

私は今日、愛した人を殺します。

思考と思考。 

人と人。 

国と国。 

宗教と宗教。


私はあなたの教えが正しいと信じています。

―神様ありがとう―



私は焦っていた。

もうこうする以外選択肢がなかった。


彼とのやり取りの末、今まで溜まっていた怒りや憎しみ、その他諸々の力が私の握る出刃包丁の柄に集中した。

一瞬の出来事だった。

彼は死んだ。

いや、私が殺したのだ。


手の震えが止まらない。

今ひどく後悔している。

「どうして殺してしまったんだ、彼にはまだ未来があったのに・・・」


突然、チャイムが鳴った。

何もかもおしまいだ・・・。


突然の来客。

私はさらに焦った。

部屋は6畳一間。

玄関の扉を開けると部屋中が全て見えてしまう。

風呂は共用だ。

死体を一時的に隠すには押入れしかない。


驚くほど機敏に死体を収容し扉を閉めた。

私はこんなに素早く動けるのか・・・。


ピーンポーンから扉を拳で叩く音に変わった。

怒鳴り声が聞こえる。

「山田さん、あなたのデビュー連載小説の締め切りはあと10分ですよ」

「はい、すみません今できました」