「FUN LETTER」vol.24 | My-Hero

My-Hero

ヒーローに憧れた夢。

真っ白い封筒に 青空の便箋

黒いペンで

「拝啓」から始まり

「また 書きます。敬具」で終わる



拝啓 ヒーロー様

目まぐるしい2016年のご活躍、いつも楽しく拝見しています。とてもお忙しいかと思いますが、地元にも帰れる機会があれば良いなぁと思っています。

そんな心配を物ともせず、貴方はいつも笑顔で頑張っていますね。私だったら、顔や態度に表れてしまうかもしれないのに。尊敬の念を隠せません。ヒーローは本気でカッコイイです。

そのときは私も笑顔を頂き、心より楽しんでしまうのですが。その時間が終わりヒーローのことをあれこれ考えてる内に、やっぱり心配になってしまうのです。

でもなんの繋がりもない私たちからは、むしろ関係なく楽しんでいた方がヒーローも気持ち的に楽なのかなとも思いました。

またまた勝手な解釈かもしれませんが、そういう結論に至ったので。もう一度奇跡が起きたら、話しかけてみようと思います。そのときは、サインしてください。

また 書きます。                                         敬具




あ、あのっ!

ん?

あ、あのー、サイン、してくださいっっ

待っとったで。

え?

前回もわざと階段使て降りたのに。目の前通っても何にも言わんからさぁ。

あ、あの日…あの時は声が出なくて、ビックリしました。

そうなん?

緊張しちゃって。でも慌てて追いかけようとしたんです。

来なかったやん。

…足も…動かなくて……

そうなのー?

というか…私のこと見たことありました??

いつも来てくれてるからさ。

見えるんですね。

結構見えるよ。

そうなんだ。。階段、毎回使ってる訳じゃないんですね。

そう、いつもはエレベーター。

じゃあ、この前は運が良かったんですね。

偶然じゃないけどな。

え?

君が見えたから、声かけられようと思って。

わたし??

そ。これ、君やんな?

あ、それ。届いてたんだ。

ありがとぉ。

めっちゃいい曲ですね。

いいやろ?

はい。

な♪…てかなんやったっけ。あ、サインやんなっ。

あぶなっ。忘れてた。

なんでやねん!

これにお願いします。

書くもん持ってないねんなぁ。

あ、これで。

どこでもいいの?

あ、えっとー、こちらで。

なにそれ?

立ち位置とゆうか。。

こっち相棒さん?

はい。

今いるよ?

職員室よりも緊張するんで。。

呼んできてあげよか?

いえ、お忙しいでしょうし。

そんなことないと思うけど。

いえ。いつか自分でお願いして、ちゃんと完成させます。

そっか。じゃー、はいっ。

ありがとうございます。

うん。こっちこそ、ありがと。

大切にします。





「FUN LETTER」vol.24編 完。