真っ白い封筒に 青空の便箋
黒いペンで
「拝啓」から始まり
「また 書きます。敬具」で終わる
拝啓 ヒーロー様
目まぐるしい2016年のご活躍、いつも楽しく拝見しています。とてもお忙しいかと思いますが、地元にも帰れる機会があれば良いなぁと思っています。
そんな心配を物ともせず、貴方はいつも笑顔で頑張っていますね。私だったら、顔や態度に表れてしまうかもしれないのに。尊敬の念を隠せません。ヒーローは本気でカッコイイです。
そのときは私も笑顔を頂き、心より楽しんでしまうのですが。その時間が終わりヒーローのことをあれこれ考えてる内に、やっぱり心配になってしまうのです。
でもなんの繋がりもない私たちからは、むしろ関係なく楽しんでいた方がヒーローも気持ち的に楽なのかなとも思いました。
またまた勝手な解釈かもしれませんが、そういう結論に至ったので。もう一度奇跡が起きたら、話しかけてみようと思います。そのときは、サインしてください。
また 書きます。 敬具
あ、あのっ!
ん?
あ、あのー、サイン、してくださいっっ
待っとったで。
え?
前回もわざと階段使て降りたのに。目の前通っても何にも言わんからさぁ。
あ、あの日…あの時は声が出なくて、ビックリしました。
そうなん?
緊張しちゃって。でも慌てて追いかけようとしたんです。
来なかったやん。
…足も…動かなくて……
そうなのー?
というか…私のこと見たことありました??
いつも来てくれてるからさ。
見えるんですね。
結構見えるよ。
そうなんだ。。階段、毎回使ってる訳じゃないんですね。
そう、いつもはエレベーター。
じゃあ、この前は運が良かったんですね。
偶然じゃないけどな。
え?
君が見えたから、声かけられようと思って。
わたし??
そ。これ、君やんな?
あ、それ。届いてたんだ。
ありがとぉ。
めっちゃいい曲ですね。
いいやろ?
はい。
な♪…てかなんやったっけ。あ、サインやんなっ。
あぶなっ。忘れてた。
なんでやねん!
これにお願いします。
書くもん持ってないねんなぁ。
あ、これで。
どこでもいいの?
あ、えっとー、こちらで。
なにそれ?
立ち位置とゆうか。。
こっち相棒さん?
はい。
今いるよ?
職員室よりも緊張するんで。。
呼んできてあげよか?
いえ、お忙しいでしょうし。
そんなことないと思うけど。
いえ。いつか自分でお願いして、ちゃんと完成させます。
そっか。じゃー、はいっ。
ありがとうございます。
うん。こっちこそ、ありがと。
大切にします。
「FUN LETTER」vol.24編 完。