手紙っていいですよね。
私はいつか万年筆で書いてみたいなーって思ってるんですよ。
でも、何せ字が下手なもので。
気持ちが全然表せられてないように思えて、哀しくなるんですよね。
もっと真っ直ぐに字を書きたいと常々思います。
湊かなえさんの『往復書簡』
人から人への手紙が、そのまま物語となって進んでいく小説。構成が素晴らしい。手紙っていいな。言葉って素敵だなって、思わせてくれる本。
子供の頃の友人付き合いは身近にある当たり前のもので、それこそが自分の生きる世界だった。なんの疑問も抱かず、なにを望むこともなく、その世界をただ楽しく生きていた。
人がどう思っているかより、自分がどう思っているかの方が、頭を占める割合が大きかった。私は、比較的精神年齢の低い子供だったのだと思う。イジメ問題に全く関わらないで済む学校生活ではなかったが、やはり楽しかった思い出がたくさん浮かぶので、幸せだったと思う。
あのとき、どう思われていたのか。どう見られていたのか。そう過去を振り返ることがなかったのだが。この本を読んで、確かに!と思うことがたくさんあった。
あの頃と変わらずにいられる友だちが、今そこにいたら。二度と手に入らない貴重な存在であることは間違いないのだから、とても大切にしなければならない。二度と失いたくない。手放したくない。一緒に、友だちでいたい。
先生と生徒、そして先生と先生になった生徒の物語。人を育てることは、なんて大変なのだろう。自分の子供だって苦労するのに、常に他人の子供である先生は偉大だ。
将来の夢で、学校の先生っていうのは、身近な職業として一度は憧れるものではないだろうか。先生ってカッコイイもん。
でも私は、一度も思ったことがない。それには簡単な理由がある。私みたいな生徒がいたら嫌だなと思ったからだ。
私は、とにかく良く質問する生徒だった。先生はいつも付き合ってくれた。私の人生は、先生に恵まれていた。こんなに幸せなことはない。今はただただ感謝するばかりである。
先生は、本当に大変な職業だと思う。人の性格、運命、それらを構成する手助けをしていると思われる。先生は責任重大だ。なんて立派な職業なのであろうか。
相手を想う。ただひたすらに、相手だけを想う。そうやって自分の人生を送ってきたのに、また相手の為に身を引く。
出来ないと思う。自分には到底不可能なことのように思える。まず強くなければならない。誰も頼れない状況で、信じられるのも、裏切れるのも自分だけ。そして、それ以上に相手を想い、優しい気持ちで、守っていかなければならない。
愛なのかな。愛なんだよね。究極の愛って、こういうことを言うのかもしれない。これが、極限に達した愛ってやつなのかもしれない。
でも、哀しくなるのはなんでだろう。素直に幸せだと感じられないのはなぜだろう。当人だったら、また違った感情になるのであろうか。やはり、その人でないと、その人の心までは読めないのだ。
小説ってすごい。実に面白い。
読書が好きです。言葉が好きです。
湊かなえさんの本が大好きです。
文庫化されたら、無条件に買ってしまいます。
読んだ側が
こんなに、いっぱい
いーっぱい考えさせられる本
こんな物語を書けたら
なんてカッコイイのでしょう。
ヒーロー、
貴方は、どんな本を読んでいますか?
また、ヒーローの作品を読みたいです。
また みつけます。