真っ白い封筒に、青空の便箋
黒いペンで
「拝啓」から始まり
「また 書きます。敬具」で終わる
拝啓 ヒーロー様
こんにちは。
来月のヒーローへの切符を手に入れました。これで貴方の元へ行けるなんて、ちょっとズルい気もしますが。会う訳じゃないから、許されるって勝手に思い込むようにしてます。
初めての内容に、どっちも楽しみです。そう、次回は今月に引き続き二本立てです。とゆうことで、終電も決定です。もしかしたら、途中退席という失礼なことをしてしまうかもしれません。そのときは、本当に申し訳ありません。
学んだことがあります。帰りの切符は、行きで買います。体力温存の為、極力当日は歩きません。そして、いざという時の為、足腰を鍛えます。上り下りトラップにまた引っ掛かるかと思うと、走り込みでも始めようかなという気になります。終電とは、正にデンジャラス。
ヒーローのように終電を軽やかに見送り、始発で帰るなんて偉業ができるのは、いつになることやら。ヒーローって本当にカッコイイですよね。優しいヒーローが大好きです。皆さんに慕われてて、尊敬します。憧れちゃいます。
中途半端に退場せず、どうか最後まで観られますように。そして、万が一席を後にしたとしても。どうか、どうか、気付かれませんように。出入口の一番近くに座ろーっと。
また 書きます。 敬具
おぉー、遅い時間なのに。たくさんのお客さんに集まってもらって。
すごいですね。
平日やんね。
そうですよね。
みんな明日休みなん?
いや、明日も普通に平日ですよね。
ですよね?
仕事?休み?仕事。そやんね。ありがとぉね。わざわざこんな僕たちの為に。
ほんまですよね。
ありがたいです。
あっ!後ろの子!何処行くん!?立ち上がって。大の大人が頭下げてんのに、まさか帰るんちゃうやろなー
厳しっ(笑)
可愛そっ(笑)
すいませんっ、終電が…
うそうそ、来てくれてありがとお。明日もお仕事?
はい。
がんばってな。ほんと、ありがとね。
すいません。お先に失礼します。
なんか部活みたいやな。
懐かしいですね。
終電間に合うといんですけどね。
どっから来はった人やったんですかね。
群馬やろ。
えっ!?
「FUN LETTER」vol.18編 完。