シルバー旅行、3日目。 | My-Hero

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ヒーローに憧れた夢。

大仏の前では、
人間はほんのちっぽけな存在である。



最終日の京都は、渋かった。

自分の何倍もの大きな体をした仏様と目を合わせると、運命を受け入れるしかないのだと思えた。

どんなに歓喜しても、どんなに嘆いても、産まれたときからもう決められた道なのだ。

仏様は悟ってる。全てを理解し、全てを受け入れる。感情の起伏もなく、達観している。

私には到底無理だ。小さな事にいちいち情が動く。疲れるけど、これが人間の「生きる」ということなのかもしれない。

仏様を仰ぎ見、目線を合わせる。

時間が掛かるだろうけど、すんなりはいかないだろうけど、見苦しいかもしれないけど、「受け止める」ってことだけ決めた。

仏様は私を貶さないけど、私を褒めてくれることもない。だから自分で考えられた気がした。だから今、ここにこうして戻ってこれたんだと思えた。



帰りの新幹線も勿論自由席の私は、何時間も立ちっぱなしだった。足が壊れちゃうんじゃないかと思った。

それと、読んでた本が佳境に迫り、泣いちゃうかもって焦った。感情移入してて、気が付いたら目の中に涙がけっこう溜まってた。このままどうにも動けない状態で、一度のマバタキで全て溢れ流れるようだった。


なんとか堪えて

自分の足で踏ん張って

今、私はここにいる。



ヒーロー、

貴方は今、どこにいますか?


ヒーロー、

今はまだ、貴方を追いかけることしかできないけど

いつか追いついて

同じ道を歩けたら


ヒーロー、

今どこで、なにしてますか?


また みつけます。