人は皆、多かれ少なかれ悩みを抱えて生きています。試行錯誤の末、答えを導きだそうと必死です。みんな、精一杯生きています。
ある日突然、ヒーローに守ってもらえる小市民から剥奪された。何がなんだか分からないけど、私が悪かったことだけは確かだ。しかし、それが何なのかを突き止める手段が私にはない。
それが分からないことには、謝罪することは疎か、反省することすら出来ない。無知のままに手を出したことを、ただただ後悔する他ない。
小市民から除外された私が行き着くとろこは、真っ暗で何もない。微かな光さえも存在しない。私は感情を動かすことがなくなる。表情まで固まってしまったみたいだ。私には、笑うことが許されていない。
誰から許されていない?
その誰かも、ここにはいない。
私が追い出された場所は、ここだった。
一市民でなくなる日が、余りにも唐突で。一欠片の前兆もなくて。戸惑うだけの時間が、ただ過ぎてゆく。このまま、私はいなくなるのだろうか。最初からなかったことに、なるのだろうか。
ヒーロー、
私の罪を教えてください。
誰かを傷付いているのなら
謝らせてください。
不快な思いをさせてしまって
ごめんなさい。
私の声なんて届かない。それは最初から分かってた。私の姿なんて見えっこない。それも最初から分かってた。ヒーローとは違う世界で生きている。最初から最後まで、ずっと交わることのない人生だった。
もう一度生まれ変わることができるなら、ヒーローと同じ世界で生きてみたい。きっと困難な道程で、逃げ出したくなるようなときもあるだろうけど。ヒーローと対等になってみたかったから。今、そう思うから。悪いことしたときは、ちゃんと謝りたい。嬉しかったときは、素直にありがとうって言いたい。
私はヒーローが好き。
この想いだけは真実だった。
また 戻ってきていい?
答えてくれない、誰も。
弱い自分は
なかなか変えられそうにない。