以前訪れた地に
再び足を運ぶこととなった。
この地に二人で出掛けたことを
今まで忘れてた。
あの頃と同じ大地を歩き
あの頃と同じ景色を見るまで
一度も思い出せなかった。
今、目の前に広がる光景は
心の奥底に眠る記憶を
引き出してくるのには
充分な光だった。
いろんなことがあって
後悔したり
恨んだり
妬んだり。
無かったことにしたくて
全ての記憶を閉じ込めた。
心の底に沈めてしまった。
二度と浮かび上がらないように
頑丈な重石を付けて。
複雑な鍵で施錠して。
不思議だね
良い思い出もあったのに。
受け止められなかったのかな
あの頃の私には。
認めたくなかったのかな。
ほどけてしまった繋がりを。
壊れてしまった二人の絆を。
でも
今
全てはっきり思い出した。
紛れもなく、好きだった。
確かに、楽しんでた。
なんで
こんな大切な記憶まで
忘れようとしたの。
冬なのに強く咲き誇る
可憐な花。
澄んだ空気に映える
輝くイルミネーション。
大切な人と一緒にいれた時間。
はっきり言えた
大好きだって。
思い出せて良かった。
心に戻ってきてくれて
ありがとう。
この記憶は
私の宝物。
失いたくない
特別な思い出。
おかえり。
底の記憶は、蘇る。
長い年月をかけて。
色褪せない思い出が
心の底まで彩った瞬間
きっと笑顔で満たされる。
きっと、幸せの近道だよ。
では いってきます。