【水色の風】 | My-Hero

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ヒーローに憧れた夢。




あの向こうには何があるの?



向こう側には誰がいるの?





大きな橋が空いっぱいに架かり

雲を突き抜ける。


今し方のどんよりと濁った重い空が

太陽を体いっぱいに浴びて

透明に反射している。


光の届くところだけ

少し水色に、ゆったりと染まっていく。


爽やかに透き通った空気の中

彩りを帯びていく風。


だんだんとカタチになっていく

アーチ状の風は

鳥が翼を霹す様に

じんわりと大きく広がっていく。



虹だ。



言葉にならない。


言葉に力があるからこそ

言葉で表せない。


言葉で表現できない分、感じている。

声にならない分、響いてくる。


雨上がりの、昼下がり

寡黙な空が虹を架ける。


ひっそりとした空気の中

音のない色が濃くなって

透き通るように滲んでく。



これが、虹なんだよな。



永久には続かないそのときが

一瞬に感じられるのは

現れる前も

消えた後も

ポーカーフェイスを決め込んだ

あの、空のせいだ。



虹の刹那と、空の永遠。



人は、その向こうを見つめる。

向こう側の誰かを想う。


どっち付かずの存在で

感動し、感謝する。


正解を導き出そうと努力する。

人生は長くも短い。


精一杯生きることで

人に、清々しい風が吹く。

虹にも、空にもなれる。



ヒーローは、

空のように爽やかで、偉大な男。


ヒーローは、

虹のように美しく、希望の男。



少し水色を纏った爽快な風が

貴方と私に吹いている。

では いってきます。                                 敬具