「探し物」② | My-Hero

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ヒーローに憧れた夢。

よし、できたっ。これで完成ー。


なに?なに?なにか作ってたの?


ちょっとねー。ふぁ~、眠っ。


晃姉、徹夜?珍しいね。


ね。ついつい根詰めちゃった。


ますます気になる。一体何作ったの?


作ったってゆうか、ただの現文の課題が終わったの。


課題って?


つっこむねー、フツーの宿題。


見せて。


ちょっと、やめてっ。


何で隠すの~?


別に隠してないし。それより、あんた大丈夫?今日部活なんでしょ。


やばっ。もうこんな時間?行ってきまーす


気を付けてねー。



18年前のとある日曜日。高校1年生の晃子は、1つの物語を書き下ろした。たまたま授業の一貫で、文学に触れようというコンセプトの中に「自分で物語を作ってみよう」という課題があった。これは全国的な規模で行われる大きなコンクールで、最優秀作品は本として出版されることとなる。本離れが進む昨今、若い頃から物語に慣れ浸しもうという初の試みであったこの企画。

そう、晃子の物語は見事最優秀作品に選ばれたのである。製本され、出版に至り、全国の図書館に納められる運びとなった。

当時中学生だった、那美の目にも止まることとなる。そして、大いに那美を感動させ、作家への道を歩む決意を抱かせる、きっかけとなったのであった。


また つづく。