天気がよかったので | My-Hero

My-Hero

ヒーローに憧れた夢。

お昼はお花見をすることに。


何年ぶりかなぁ。朝、欠伸しながら料理したお弁当を持って。魔法瓶になっている水筒に、温かいお湯を入れて。お花見なんて本当に久しぶりだ。
なんでだろ、ご飯が美味しくなった気がする。


普段は読書をしながら食べることも多く、下向きの食事が通例になっていた。でも今日は、桜を見るために上を向いての食事。食べ物が、するっと美味しく喉を通過。
なんでだろ、体が健康になった気がする。


日本人として産まれたからには、何回も繰り返してきたはずだ。年に一度、桜の季節を味わって生きてきたはずだ。それなのに今年、いや今日、初めて気付いたことがある。


桜って、白色だったんだ。


ネムネムの中、頑張って作ったお弁当をペロッとアッサリ食べ終え、花見から転じて博士張りの観察へ。良く良くジックリ見てみると、雄しべと雌しべの周りと、萼だけは赤みがかっている。だけど花びらは、モクモク雲のように白色だ。


博士ともなると、線引きで直径も測ってみる。1センチの蕾から、4センチの花が咲き誇る。花芽は濃いピンクで、大きく開いていく際に白くなっていくようだ。


桜の白は、ただの真っ白って訳ではない。ほんの小さな気持ちの欠片を、絵の具のように清廉に溶かし。アイロンのように、美麗に伸ばし。クレヨンのようにあったかい彩りを、幾重にも奏でる。そんな眩いハーモニーなんだ。


1つの花を見ると、白。よーく近付いてじっくり見ると、薄いピンク。全体から木として見ると、はっきりとしたピンク。なんとも色彩豊かな、風情ある眺め。これが「桜色」っていうんだな。
なんでだろ、心が優しくなった気がする。


4センチの小さな花が、青空をピンクに染める。大空に4センチ。なんだか信じられない話だけど、これが桜の本領。この実力が、ソメイヨシノ。


明日は嵐の予報が出ている。きっとその風で、桜は飛んでいくんだろう。花びらがヒラヒラと舞っていく。パッと咲いて、パッと散る。人の想いは惹かれてく、散りゆくその姿にさえ。


桜、かっこいい。





桜の花道は、通ることが難しいのではない。通った後に、その世界で生き続けていくことが、本当に難しいことなんだ。


命懸けの合戦。運も巡り合わせも必要。その上、努力も不可欠。ヒーローになることより、ヒーローで在り続けることの方が、何れ程困難なことか。私の想像力では計り知れない。


私には、 一度でもヒーローになることは出来ない。たった一度きりだとしても、選ばれし者にしか許されていない。


だから、せめて、ヒーローを支えていける縁の下の力持ちになれたら。それは、どんなに幸せなことか。今も夢みて、遠くからではあるが、微力ながらに応援している。



想いは舞い散らない。

もー次回の「桜」が楽しみだなー。

なんでだろ、頭が良くなった気がする。

では いってきます。                                 敬具