セーラー服と機関銃と桜と | 青い球。blauekugelという名に捧ぐ。

青い球。blauekugelという名に捧ぐ。

Since 2011
花鳥風月、理の系の人間が超感覚的に追求する美学。やや欧州、技。

おっさんが若い娘に未練を残しながらも、大人の男の意地を見せて最後の余裕を見せる。そんな歌。

 

「いつの日にか僕のことを思い出すがいい」

思い出してほしいはずなのに、「思い出すがいい」とは、あまりにも高飛車な言い方。おっさんのプライドが邪魔して、素直に思い出してほしいとも言えず。

 

「希望という名の重い荷物」

若い時には希望はただ、自分の前で輝くだけ。おっさんになって、初めて「希望」が重い苦しいものだと悟る。

そんな希望を何の躊躇いもなく、気負いもなく、「軽々と」胸に抱く若い娘を、おっさんは眩しく見つめる。私には、もうその荷物は、持てないの。

 

「心の片隅にでも小さくメモして」

おっさんの女々しさが現れている歌詞。少女が初恋の男性に「私のことを少しでも覚えていて」というのと同じような感覚。やれやれ。

 

若い娘が愛した男たちを遠目に見つめながら、若い娘の恋を邪魔しないと言いつつも結局は自分の元へと戻って来てほしいと願うおっさん心理をこれでもかというくらいに謳い上げる。

 

「このまま何時間でも抱いていたい」けれども、時間は無情にも過ぎ去り、あっという間に陽は落ちて夜のとばり。二人の花見もそろそろおしまい。今でも腕には君の温もりがはっきりと残っているし、柔らかい曲線と膨らみや突起を帯びた君の輪郭も手のひらがしっかりと覚えている。薄いビニール敷物を通した土の冷たさで、君の体は冷えなかったかい?冷たい頬を少しでも温めてあげられたら良かったのだけど。

 

あの満開を過ぎた桜たちを、死ぬまで忘れない。

 

言葉の綾に酔いつつ、心に花を咲かせる。君に、君の希望に、君の幸せに、心から願う。ただ、君の未来に幸福を叶えることを心から祈りながら。