その日の午後

私はいつもお世話になっているお医者さんの
元で診てもらうことになりました。が、

もうここからは私のなかでの記憶があまりなくて

曖昧な記憶をたどって、綴ります。


診察を待ってる間
ずっと泣いてました。

どこが痛いとか
苦しいとかはなくて
何故かひとりでに出る涙

いよいよ診察時間になり
先生の元へ呼ばれた私

その時、一瞬にして私はおかしくなりました。

親が状況を説明しようと先生に話をするのですが
それを必死に腕をつかみ怒鳴りつけ止める私

先生が私に
「どこがおかしいの?何があったの」
そう問いかけるのですが
ずっと私は
「私の部屋に男の人と小さな子供がいるの」
「いつも話しかけられるの」
「ヴーって唸るの」
この繰り返しで、体も口も勝手に動き
もう誰から見てもおかしい状態でした。

でも、不思議なことに私は
自分がおかしいなんて微塵も思ってなくて
なんで分かってくれないの?と
苛立ちだけが募っていく。

先生は、安定剤を打ちましょうと
私を点滴室に連れていきました。

看護師さん達が
「準備してくるから待っててね」
そう優しく話しかけて去っていった
直後でした。

足音や物音が
まるで目に見えない巨大な怪物のように
私を襲ってくる。そんな感覚になり

「いやぁああああああああ」

泣きながら、奇声を上げていた

看護師さんの投げかけにも
耳が聞こえないみたい
体が重くて
硬直してきて
鉛が着いているみたいで

ひたすらに口が動き
視界は歪み

私は恐ろしい怪物に
飲み込まれました。