レッドキングでは、とても貴重な経験を、いくつもしている。そのひとつが西口「Loft」の閉鎖である。新宿Loft この場所はオレにとって特別な場所だった。自分のバンドマンとしてのスタート地点でもあり、また、生涯初のワンマンライブの場所でもある。新宿(御滝橋通り)にLoftが出来てから、沢山のバンドを輩出してきた、その長い歴史の最後に演者として立ち会えたことは、とても幸せなことで、自分の誇りでもある。そして、あの日のことは、はっきりと覚えている。 昼過ぎ、自宅に迎えの車がやってきて、楽器を積み込み、ほかのメンバーを拾い、Loftへ向かった。車を降りると、いつもと変わらない風景が在った。雑居ビルの脇に、張り付くように立つLoft、幾つもの伝説がこの場所で生まれ、バンドマンの多くはこの場所を目標にしていた。そんなこの場所もあと数日で、移転のため閉鎖してしまうと思うと、とても残念だ。そんな事を思いながらも、やたらと重たい黒いドアを開け、とても急な階段を降りると、すでに沢山の人が右往左往していた。今日は西口Loftファイナルイベントと言う事で、VTRスタッフや先に来ていたバンドのメンバー、スタッフでいっぱいだった。ホストバンドはLAUGHIN' NOSE、そうオレが高校時代コピーしていたバンドである。そのためか、スタッフや他のバンドメンバーに鋲ジャン、編み上げブーツにモヒカン、ピンヘッドがやたらと多いのだ。演者とスタッフの区別がつかない状況なので、だれかれ構わず「レッドキングです!よろしくお願いします」と声をかけに行った。楽器の準備も済み、自分たちのリハの番が来た。レッドキングはもともとポップ路線を行っていたので、今日の面子からいけば、完全にアウェーなのだ。やはり珍しい物でも見るかのような顔をされた。そんな間もずっとVTRスタッフはカメラを回し動き回っていた。 続く