※※※本編の内容・ネタバレを含んでいます。ご注意ください。※※※

みなさまこんばんは!
満です♬





















































イグニス・カリブンクルス(CV/小野友樹)
獣界ベスティアの頂点に立つ炎の魔獣・焔狼。
ヤンキーっぽく振る舞いながらもその実、面倒見の良いツンデレ。


プレイ時間はフルボイス聞いて約7時間でした。
前半というか、第一章はまだ平和だったなぁ…。(遠くを見る目)
出会ったばかりの頃はつんつんしてたイグニスにもずっと優しくてGMPによるアンシャンテ襲撃や対ブラック戦で強さを見せてきた琴音。
そんな彼女に、イグニスはすっかり惚れていたようです。
例えるならば、やっさしい美人の保険医さんに恋心を寄せる不良男子みたいな。
不器用に琴音に惹かれているイグニスが微笑ましかった。
特に手に怪我した琴音の血を無意識に舐めてしまい、すぐ我に返ってものすごく照れ出して変な空気になるシーンはちょっと笑った。
凛堂さんからも、何このへんな空気?って言われてたし。
喧嘩に強いだけあって運動神経バツグンで、初スケボーで凄技を次々決めるかっこいい彼を見て歓声をあげる琴音のふたりは、年相応のカップルって感じ。

平和な日常の傍らでは、アンシャンテの周辺に次々とベスティアと繋がるホールが開き、そこから正気を失った豪角が襲いかかってくるようになる。
最強のイグニスは一発KOで豪角を掃討し、ちょうど街中に居合わせたイルやカヌスが駆けつけるところは何か良いデジャヴを感じたんだけど、あれだ、特撮だと思い当たった。
基本的には明るく、時に涙もありながら、いざってときは仲間のために結集する流れが幼い頃好きだった戦隊モノを思い出させた。
ちなみにイルはゲームショップの乙女ゲ記念品抽選会に参加していたらしい。笑
イル√のオタ活エピソードが楽しみ。

第二章から第三章は怒涛のシリアス展開がオープン。
ミシェルのフランクな陽気さや天才変態科学者な御門のギャグが救いだった…。
コロロの可愛さも大切な癒やし要素。
もっちもちなフォルムはもちろん、少しづつ言葉を覚えて、ほぼ一方通行で話す形だけどおしゃべりできるようになっていくのも可愛くて。
まるで子の成長を見守る親のような気持ちになった。
しかもコロロは、最初から最後まで大活躍。
もう間に合わない!という琴音最大の危機に駆け付けて助けるという、胸熱な展開までやってくれる。
なんて賢くて優しくて可愛い子なの…とイグニス√を終える頃には親ばかになっていた私だった。
(コロロの活躍の数々を家族に語ったところ、もはやコロロ√ではないかとの意見があった。)

怒涛のシリアス展開というのは、"不殺主義で弱者に優しく、弱肉強食のベスティアを変えていきたいと願う純粋なイグニス"の根幹を揺さぶるような事実が発覚したことから始まる。
子供の頃、焔狼の縄張りが他の魔獣に襲われ、親友含む大勢の死傷者が出たものの、幼いイグニスが果敢に敵を追い払ったとされる出来事。
それに関する記憶は失われていたが、生き残った叔父や仲間からはそう聞かされていたイグニス。
真実は違った。
イグニスは敵の魔獣と焔狼の親友や十数名の仲間たちを、殺していた。
殺意を向ける相手であろうと不殺を心情とし、弱者を守り続けていたのに、その自分が、敵だけでなく同じ焔狼まで殺していた。
その事実の重みでイグニスは押し潰される。
唯一の救いは、それが彼自身の意思ではなく、イグニスのみが持つ暴走本能によるもので、無意識だったこと。
最近、アンシャンテ周辺の街中に豪角が出現しイグニスを狙っていたのはイグニスの暴走本能を知った豪角がイグニスを危険と見なしたため
このままでは人間界にも被害が及ぶし、イグニスは暴走本能を持っているからアンシャンテにはもう訪れないと言い出す。
それでも琴音やアンシャンテの仲間たちと共に、暴走本能を解決させようと、再びベスティアへ向かいます。
正直、ここまででもかなりしんどい。
ただ、やはり琴音やアンシャンテ人外ズや凛堂さんが徹底的にイグニスの味方となり、彼を排除するような解決方法を鼻から考えていないのがホッとしました。
でもね、これだけじゃなかった。
イグニスはかつて、ベスティアに生ける者すべてを食い殺そうとした界喰狼の末裔で、隔世遺伝でその血を濃く受け継いでいた、ベスティアでは"化物"と呼ばれる存在だと判明。
戦闘したり血を見ると界喰狼の本能が沸き上がってくるのが、それまで垣間見えていた謎の描写の真相でした。
平和を願い、弱肉強食の世界を作ったなんらかの原因を憎んでいたのに、そのベスティアの残酷なルールの発端となったのが自分の先祖だったって、過酷すぎる。
そして、ある凄惨な戦いの場に出会ったイグニスは暴走。
…大好きな琴音を"食べ"ます。
正確には彼女の片腕を部分的に、肉ごと食い千切った。
もうこのシーンが本当に痛くて。
琴音の悲痛な叫びと、これから正気に戻ったイグニスの気持ちを考えるとしんどかった。
これ以上イグニスに追い打ちかけないでくれ…。

イグニスを怖いと思いたくないのに、いつも通り接したいのに、恐怖が込み上げてしまって、声が震え近づけない。
そういった琴音の本音が綺麗事なしで描かれていたのが逆に良かったです。
その上で、何度も自分を助けてくれて、周りの人も助けたイグニスのことを諦めたくないと葛藤する様子が切なくも健気だった。
琴音はまた(食べられるなど)傷つけられたら怖い、イグニスは琴音を傷つけてしまったら怖いと、お互いに"恐怖"を抱えていた。
本当は誰も傷つけたくない、特に琴音は惚れた女なのだから、絶対に傷つけたくない。
だけど、自分の本性は捕食に生きる界喰狼だと思い、苦しむイグニス。
やがて力が暴走し、界喰狼へと姿も変化させ、ベスティアを大暴れし出してしまう。
けれど、その界喰狼になったきっかけは、琴音がドローミに殺されそうになり守ろうとしたから。
そういうところが結局、イグニスの本質は変わらないのではと示唆してくれて、少し光が見えた気がした。

そして、一連の鬱展開から胸熱展開へ!
アンシャンテメンバーはもちろん、今までイグニスが守ってきた"弱い"とされる魔獣たちが勢揃いで、イグニスを信じて、暴走を止めに助けに駆けつけてくれた。
彼らは普段のイグニスを知っているからこそ、恐ろしい炎の竜の姿になっていても、何か事情があるんだ、これは本心ではないと信じてもらえた。
これまでイグニスが助けの手を差し伸べた魔獣たちが、今度は助けてくれるというのは、王道ながら良い。
それに、イグニスのやってきたことが無駄じゃなかったことの証明でもある
界喰狼としての捕食本能や残酷な世界、様々な苦悩があったけれど、最終的にはイグニスの本質は変わらないし、その者の本性は自分で決められるという結末に安心した。
琴音も暴走してもやはり元のイグニスを感じさせる様子を見たときに、恐怖心を克服して、彼の心の底に呼びかけることができて、はんっとうに感動だった…。
ちょっと涙ちょちょぎれるかと思った。
(それからの流れがすごくラブで、乙女ゲームでした。
なんていうか…18…いや…うん。
ふたりが両思いになれたのが素直に嬉しいです。)

今回の事件の黒幕はドローミ。
もう…全然予想してなかった。
ドローミは子供の頃、両親や仲間たちの惨殺を目の当たりにして、心が壊れてしまったんだと思う。
とても耐えきれないよ。
何の意味もなく悪意で弱者を蹂躙する者が強者とされる世界を憎みある意味悪意のない本能のみで獲物を食らい尽くす界喰狼に憧れて界喰狼にベスティアを食らわせようとするのは一見めちゃくちゃ。
でも、それが彼の心の防衛方法だったんだと思うと、なんだか…。
ドローミのやったことは許されないと思うけど、憐憫を感じます。

最後にバッドエンドについてですが…、切な…。
氷の下で界喰狼の姿のまま眠りについたイグニス。
氷床に埋もれるなんて、寒いし寂しいだろうに…。
でもいつか、彼が目覚めるかもしれないという希望があるのでそれを信じたい。
ハピエンでもバドエンでも琴音の献身さに泣く。
イグ琴、幸せであれ!!