※※※本編の内容・ネタバレを含んでいます。ご注意ください。※※※




みなさまこんばんは!
満です♬




今回から、幻奏喫茶アンシャンテの感想記事を更新していきます。
この記事を書いている今は、ちょうど共通√を終えたところです。
名作連続ドラマを最終回まで見た時のような満足感と感動。
もはや誰ひとり攻略しないままエンドロール流れても何も文句ないよってくらい良かった…!
共通√は全8章で、約12時間かかりました。ボリューミィ。
笑いあり、涙あり、癒やしあり。
ひとことで言えば、THE・ハートフルコメディ。
皆でワイワイも楽しめるし、攻略キャラひとりひとりと絆を深められる、大充実のシナリオでした。


祖父の残した喫茶店アンシャンテを訪れたのは、孫娘の琴音。
ブラック企業でパワハラを受け疲弊していた彼女は、幼い頃一時的に暮らしたことのあるアンシャンテで郷愁を感じ癒やされる。
…感じてたら、不審者が続々と店内に入ってきた。(嘘偽りなし)
もうね、この時点でめちゃめちゃ笑いました。笑
琴音ったら完全にミシェルを警戒してて110番通報しようとしてるし、その後、イル・カヌス・イグニスが入ってきてさらに警戒心高まってるし。
しかもキャラの名前表記が、"兜の不審者""優美な不審者"とか"○○の不審者"になってて爆笑した。(ちなみにミシェルは"最初の不審者"表記)

混乱とカオスの入り乱れた空気の中で、彼ら人外ズが祖父が経営してた頃のアンシャンテの常連客で、アンシャンテを大事な居場所にしていると説明される。
そして祖父が亡くなったことを知った人外ズはそれぞれショックと悲しみを感じ、琴音にお悔やみを告げる。
兜の騎士、炎の魔獣、堕天使、魔王様と強個性な彼らだけれど、やはり心は人間と同じなんだなぁ…としみじみ思いました。
…ちなみにこうした真面目な話の最中も、キャラ表記は"○○の不審者"のまま。笑
首なし妖精騎士デュラハンであるカヌスは、非常に生真面目で硬派なジェントルマンなんだけど、兜アリ(兜から下は控えめカジュアルコーデ)、兜ナシ(首なし状態がオープン)どちらの姿もインパクトありあり。
"気になる点はあるだろうか?"って、全部気になるよ…って思ったら琴音も同じこと言ってた。笑
ボケとツッコミのテンポの良いやり取りが最高すぎるのよ。
もちろん他にもこうした会話はあります。
爆笑ポイント盛りだくさん。

それにしてもアンシャンテの外装・内装共に素晴らしくて!
シックでアンティークな雰囲気と温もりのある空間で、一階の店内から二階、三階のインテリアも素敵。
私もここで暮らしたい。

人外ズは琴音の歓迎会まで開いてくれて、特にミシェルは魔王と思えないほどフランクで陽気で優しく穏やかに、琴音の心情をフォローしてくれる。
これはアンシャンテを継ぐことを選ぶわ。

さて、異世界からやって来た人外たちを保護、場合によっては排除することもある、人外対策機関GPMが登場。
なんだか人外ズの敵っぽく現れた彼らは異世界と通じるゲートを持つアンシャンテを押収しようと、普通の女の子である琴音を脅し始めるのだけど、そこへ助けに来てくれたのはやっぱり人外ズ。
ミシェル、イル、カヌス、イグニスたちが何の迷いもなく、颯爽とGPMと戦って圧勝したのはカッコよすぎた。
こうして、人外ズとボケとツッコミの応酬をしたり、人間も人外も"居場所"が必要なんだと再認識させられたりしながら、琴音はアンシャンテを受け継ぐことを決める。
心底恐れていたブラック企業の上司からの恫喝にも負けず、啖呵を切れた。
それは琴音の元々の強さと、アンシャンテという人外たちとの居場所が出来たから。
琴音たちの場合の居場所というのは、単なるリラックスできる場所ではなく、"信頼できる仲間のいる"アンシャンテだからこそと思う。

ところでGPMも別に常に人外ズの敵というわけではなく(攻撃してきたのは一部の人)、アンシャンテの人外ズを監視する名目で常連客となった凛堂さんは立派なアンシャンテの仲間。
常識人かつ苦労人的ポジションで、皆のフォローに回ってくれる。琴音の保護者感がある。
ちなみに中年中年と周りからイジられていますが、42歳イケオジかつイケボです。

序章から3章は琴音が人外ズや凛堂さんら常連客と出会い、アンシャンテを再稼働させる話。
4〜8章は、カヌス、凛堂さん、イル、ミシェルの順でひとりずつ深く交流していくと同時に、彼らの抱えている孤独などの課題が見えてくる神シナリオとなっていた。
全8章駆け抜ける頃にはもうみんな好きになってた。ナニゴト。

カヌスがメインの4章は、もっとミシェルたち人外ズのことを知りたいと、琴音がカヌスの故郷・妖精界メディオへ冒険の旅(観光)へ。
フレンドリーで優しい女王ティターニアがそれはもう可愛かった。
その一生を王座の上に縛られ過ごす辛さが垣間見えて、さっそくしんどみ要素を感じた。
そもそも、人間界では親切で頼りになるまさに騎士道をゆくカヌスは周囲から好かれているけど、妖精界では死の妖精として恐れられていて孤独だと分かった。
もしかしてアンシャンテの人外ズって、自分の故郷には居場所がないとか…そういうパターン?
同胞たちからどんな態度であろうと、それを甘んじて受け止め、ただ己の使命のままに生きようとしているカヌスの兄貴が眩しかった。
それから、なんといってもキレキレな毒舌を見せてくれる宰相のヴェンニーアが良かった。
明らかに舌打ちしたり毒づく一方で、カヌスや琴音を気遣ってくれる優しさもあって、ぜひ彼も攻略させてほしい気持ちになりました。

凛堂さんがメインの5章は、彼の生き方が強く表れていたと思う。
人間界で人間の両親の元産まれたはずが、隔世遺伝で氷の力を持つ妖精として産まれた狩也への説得を通してはじめは敵っぽく登場したGPMでの凛堂さんの在り方を知れた。
説得というのも、狩也は妖精なので人間界に身体が適応できておらずへ妖精界へ移住したほうが命が助かるのだけど、これまでずっと人として生きてきた狩也くんはいきなりアイデンティティが揺れて現実を受け止められずにいたんです。
そりゃ不思議な力を自覚して薄々自分が人ではないと気づいてはいただろうけど、急にあなたは妖精言われてすんなり納得はできないよなぁ。
実の両親には虐待の末捨てられ、ヤバい組織に売られ酷い目に遭い、やっと愛情をくれる養父母に出会えたのだから、養父母と離れ離れになりたくないと思うのも自然だ。
混乱の中、命のタイムリミットも迫り、氷の力を暴走させていく様子は痛ましかった。
そんな彼に、凛堂さんは狩也が後悔しないように、説得の戦いで決して軽くはない怪我を負っても、彼と懸命に向き合っていくんです。
最終的には、人間界と異世界の狭間であるアンシャンテにお手伝いに来てもらうことで、狩也くんは"有意義な先延ばし"をすることに。ほんと安心した…。
こうしてどんどん仲間が増えていくの、ドラマ感あっていいね。
凛堂さんのテーマは後悔みたいなので、よほどの過去があるんだろうなと思うと……。
いやいやでも、どんと来い!って気持ちで凛堂√にいこうと思います。

イグニスがメインの6章は、とっても愛くるしい巨大な大福みたいな魔獣が登場。名前はコロロ。でも私はもちってあだ名を勝手につけて呼んでます。もちもちしてて可愛い。
もちはイグニスの故郷・獣界ベスティアの海の魔獣で、親や群れからはぐれていたところを、イグニスが連れて帰ってきた。
凛堂さんも言ってたけど、普段はつんつんしてても小動物に好かれて、見捨てられず家に連れて帰ってくるって、実は優しい不良男子みたいでギャップ萌えだよね。
ちょっと荒っぽい喋り口調で、どこまでも面倒見が良い彼。
喧嘩好きなのがちらほら見えていたけど、そもそも彼が育ったベスティア自体が弱肉強食の世界。
戦いを望まぬ者さえも強者に命を奪われていく、過酷な場所だった。
イグニス√もまたしんどい展開がありそうだ。
もちの両親を探しに来た琴音たちは、戦闘力のない者たちの集落で少しお世話になるものの、そこへ魔角という強者かつ残虐な一族が来襲。
絶体絶命の危機に現れたイグニスが、実はベスティアNo.1の強さを誇る魔獣で、しかも、この厳しすぎる世界にあって不殺主義らしい。
そしてあっという間に魔角を戦闘不能にした。かっこよすぎん?
ただ、強さのヒエラルキー頂点に立つイグニスは、ベスティアでは舎弟くん以外からは恐れられているのが切なかった
この食うか食われるか境遇で生まれ育ったイグニスが、なぜ不殺主義を掲げるのか、不殺主義を最後まで貫けるのかが、彼の個別√で描かれているのかな。
楽しみというか、彼の勇姿を見届けたい気持ちになりました。
そしてもち…。血だらけの背景が表示されたときに瞬時に察したけど、全員無惨に殺されていた。
登場人物たちが絶句する中、もちだけはまだ幼くて状況を理解できていないのがますます可哀想だった。
その後は、アンシャンテの看板あざらし?として、可愛がられているのが救い。

イルがメインの7章は、乙女ゲーマーの共感を一挙にさらうストーリー!笑
私は今のところイルが一番好きです。
だって発売日やカウントダウンボイスを楽しみにしてるのも、乙女ゲグッズだらけの部屋で幸せそうなのも、選択肢で悩むのも、イベント会場でいきいきと目を輝かせるのも全部経験があるから。
人間のように表情をくるくると変えて、ほんわかした振る舞いが可愛い。
そのイルの課題はおそらく、"心・感情"かな。
堕天使のイル(ちなみに堕天した理由はゲームじゃないか疑われてた。笑)は、多分、人間とは一部違う考え方・情緒を持っていると思う。
天使の力・法術を使うときも、不思議な魔法というよりかは細やかな計算と化学理論に基づいたもので、柔らかな声で中和されてるけど理論立てた話し方をする。
そのために、もちの両親が惨殺されもちが故郷に帰れなかったことに心を痛めている琴音の気持ちを最初は察せなかった。
でもそれはイルが冷たいとかではなく、まさに種族の違いなのだろうと思った。
それに、人外ズから諭されて気づいたあとは、琴音を元気づけようと励まし作戦の中心に立ってくれた。
あと、君の恋愛(ゲーム)経験を頼りにしてる、という凛堂さんの台詞に笑いました。
常連たちで順繰りに琴音をデートに誘い、ついにイルの番。
デート場所が乙女ゲームのイベントっていうのは、やっぱ私は嬉しい…!
庇護される側だったイルがはじめて自分以外の存在、琴音を励ましたり守るために奮闘する姿が描かれ、イルメインの共通はこの7章のみだけど立派な成長ストーリーになっていました。
突然イベントに乱入して絡んできた柄のよくないナンパに、的確な正論を悪気なく辛辣に告げるイルってば最強だった。
他にも転びそうになったときは助けてくれたし、すっかり頼りになる堕天使だったと思う。
法術で人工的なイルミネーションを作り出して綺麗な夜景を眺めるというデートらしいロマンチックさもあって、その法術に使った歌は発売されたばかりの乙女ゲopだったというオチもあって、最後まで楽しいデートでした。笑

ミシェルがメインの8章は、ぱいれーつおぶかりびあん…ではなく、琴音の実家の近くの無人島が舞台。
(このエピソードを家族に、"色んな事情があって、東京から東北の無人島にいっちゃて〜"と語ったら"一体どんな事情よ?喫茶店の話じゃなかったの?"と返された。笑)
その無人島にはハニワの人外たちが平和に暮らしていたのに、突如空が赤く変色し、割れた隙間から動く骸骨が降って襲ってくる緊急事態になっていた
それを対処しているのが凛堂さんで、骸骨は追っかけてくるしハニワたちを保護しなきゃだしてんやわんや。
凛堂さんを心配した琴音や人外ズも無人島に結集。
赤黒い島の背景と、迷いなく命を狙ってくる攻撃的な骸骨が完全にホラーだった。
でも無敵最強人外ズのおかげで、恐怖はいつの間にか消えていた。
あとから合流したカヌスとイグニスにどうやって東京から東北の無人島まで来たのか聞くと、"走ってきた"と。
海はどうしたのかと再度聞くと、"だから、走ってきた。海面を"とイグニス。
ちなみにカヌスは"我は泳げぬゆえ、海底を走ってきた"と言ってきて…、もうどこから突っ込めばいいのか…。
空を割いて出現したゲートを塞ぐ大魔法をミシェルが展開、仲間たちは各々の能力を最大限に活かした全力サポートで無事に事件は解決。
その過程で、ミシェルが万能ゆえに孤独であることが示唆され、さらに琴音の脳内に直接語りかけて無人島へ飛ばした謎の声がミシェルだと判明したりと、結構な重要エピソードが入ってた。
ミシェル√はどうやら攻略制限かかっててラストに攻略できるらしいんだけど、想像以上のものが待ち受けていそう。

幻奏喫茶アンシャンテ、本当によかった。
私は普段、深淵絶望ダーク系ストーリーを愛する人間なので、シリアス要素あるらしいけど基本は明るく見えるアンシャンテと万が一合わなかったらどうしようとか少し思ってたんですけど、杞憂でした。
ストーリーはもちろん、文章や登場人物たち、コミカルな会話劇など、作品自体が心地良くて続きをやれるのを毎日楽しみにするようになってました。
…っていうとなんかもうフルコン感想みたいになってるけど、まだこれから個別√5つもあるんだよね。
もうどんだけ楽しませてくれるんですか、アンシャンテさん!LOVE!
というわけで、一人目はカヌス√にいきます。
次回の感想でお会いしましょう。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました!!