※※※本編の内容・ネタバレを含んでいます。ご注意ください。※※※





 

みなさまこんばんは!
満です♬


















































カヌス・エスパーダ(CV/梅原裕一郎)
首なし騎士の妖精デュラハン。
はじめは首がないのがインパクト大だったけど、何も違和感を抱かなくなるほど馴染んだ。アンシャンテマジック。
プレイ時間はボイスすべて聞いて約4時間でした。


顔が見えないからこそのドタバタ胸キュンエピソードが可愛かった
居眠りしていたカヌスが琴音の来訪により目覚めるも、気がついたら至近距離にいた琴音を意識してしまいなんとなく流れで狸寝入りをする。笑
必死で無心になろうとしているカヌスと、無邪気な微笑みを浮かべながら彼を見つめる琴音のスチルに笑いつつも、こちらも微笑ましくなった。
(ちなみにこのあと、至近距離見つめあい事件はバレる。)

こうした些細な出来事がきっかけになり、琴音はカヌスの顔を見てみたいと思うようになる。
それに対し、いつも受容的なカヌスが柔らかな言い方ではあるけれど、やんわりと拒否。
自分の顔が見えても意味がないと言いつつ、本音としてはむしろ顔を見られたくなかったんだと思う。
それはカヌスの過去、死を告げる妖精として妖精を殺していた後ろめたさから来るのだと思っていました。
実際、ほぼその通りだったんだけど、予想以上に事態は深刻だった。
この世に生まれ落ちた瞬間から、カヌスは大量に妖精殺しを余儀なくされた。
妖精界そのものである世界樹は養分を求めていた。
妖精女王=生贄であり、ティターニアは玉座から動けないだけでなく、養分として世界樹に魂を吸い取られ死にゆく過酷な運命に置かれていた。
それに立ち向かったのがティターニアとヴェンニーアの姉であり、先代の死を告げる妖精だったバンシィ。
世界樹との激しい戦いの末、バンシィは命を落とした。
その結果、世界樹がティターニアの魂を吸い取る量が減ったことで予定より命は延びたが、その代わり世界樹は養分の不足分を求めて暴走。
それを止めたのが当時新しく死を告げる妖精として生まれたカヌスだった。
カヌスが妖精を1/10まで殺したところで、やっと世界樹は静まったらしい。
恐ろしすぎやしませんか…。
植物だから感情がなく、対話も説得のしようもないのが余計に怖くなった。
それから500年間、カヌスとティターニア、ヴェンニーアとで話し合い、世界樹が不足分を補うために大量の妖精が命を奪われるよりも、定期的にカヌスが妖精を殺すことで、なるべく被害を最小限に抑えながら妖精全体の平和と均衡を保ってきたと…。
自分の心を殺し、所謂汚れ役を負うしかなかったカヌス。
生贄としてじわじわと、自らの魂を奪われているティターニア。
またしても姉が失われていくのを見せつけられているヴェンニーア
逃れられない運命に命を縛られ、自由を縛られ、心を縛られた3人の気持ちを思うと…、やっぱりしんどいものがあります。

そして、カヌスが妖精を斬り殺している場面を琴音は目撃してしまった。
あの優しいカヌスが、と眼の前で見た光景をにわかには信じられず。
受け入れがたい中、やはり彼と話し合おうとした矢先、己の行為に深く傷ついているカヌスから拒絶された琴音が気の毒だった。
また、それだけ、妖精殺しがカヌスにとって心の痛手であり、傷が深いからこそ触れられたくないのだと伝わってきてそれも気の毒だった。

妖精界の平和はティターニアやカヌスや、妖精たちの犠牲の上で成り立っていたというのが、犠牲になった者たちを思うと辛い。
そのアンバランスな均衡を破ったのはヴェンニーア。
あまり社交的な方ではない彼が、人間界に興味があるのに不自由なティターニアのために、アンシャンテの常連客になり土産話を持ち帰ろうと努力したのが、見てるこちらも優しい気持ちになれた。
カヌスや人外ズと琴音のやり取りを見て優しい微笑を零した彼が、大事な人(ティターニア)を思うがゆえ、琴音を犠牲にしてでも最強集団人外ズに本気を出して世界樹をぶっ飛ばしてもらおうと動いたのが切なかった。
自らの心を、肉体を痛めつけながらも、自分以外の者の幸せのために現状維持を選んでしまうカヌスやティターニアの気持ちも分かるし、なぜ理不尽な現状維持を続けるんだ!と憤るヴェンニーアの叫びもわかる。
やがて妖精界に一時的にホールが出現して世界樹が暴れ出したのを機に、ヴェンニーアは琴音とティターニアを入れ替えて、カヌスをはじめとした人外ズを焚き付けた。
ヴェンニーアの行動には驚いたし、琴音に痛い思いさせて欲しくないのはもちろんだけど、彼の世界樹を憎む気持ちがストレートにこちらに伝わってくるし、その根底には愛する家族への思いがあるから、彼はやはり悪役ではないと思う。
拷問並みの激痛を味わった琴音がヴェンニーアを罰さなかったのも、守ることを選んだのも、琴音の優しさをいっとう感じると共に納得もできた。

琴音とカヌスの恋は、奥ゆかしい恋模様だったと思う。
控えめだからこそ、純愛感があって素敵だった。
…でも、もっと何かあってもよかったんだよ?
手の甲にキスだけで、最後にはお姫様の騎士のように結婚のプロポーズをしてfin...という、カヌスらしい清純派(?)な終わり方。
そこに至るまでには、カヌスが負い目を感じている妖精殺しの件で、彼に辛いことを抱え込んでほしくないけど深く踏み込む事を躊躇う琴音の葛藤が描かれていた。
そんな彼女にヴェンニーアが、カヌスは勝手に突き放したんだから貴女も勝手にすればいいと、彼らしい毒舌かつ暖かい激励に感動した!
個人的にすごく好きなシーン。

最後にはバッドエンドについてですが、切ないけど琴音への愛を感じるエンドでもありました。
意識を失い植物状態となった琴音の命を少しでも永らえさせるために、世界樹への養分として妖精殺しを続けると決めたカヌス。
当然アンシャンテは無くなり、人外ズ常連客たちも足が遠退き…、暖かな笑顔が失われた事実のみが重くのしかかる。
って、つら…切な…。
…っていう夢でした。(てことにしよう)