17:00になると、会館地下にある大広間「樹林」にて開講式が始まります。通常の開講式は「瑞峰」という大広間で行われますが、着物の展示会みたいなのをしていましたから使えなかったんでしょうね。
延暦寺副執行、小鴨覚俊師を始めとする僧侶、そして小僧さんらと共にお経の読誦から始まり、そして日程説明、DVD鑑賞、注意事項などの説明。DVDは叡南浩元阿闍梨の満行までのドキュメンタリーでした。
その後はレストラン「望湖」にて夕食。
当然精進料理ですが、ここは居士林斎食道場の「一汁一菜」と違い、豪華版です。
この時カメラを部屋に忘れた為に写真はありませんが、下のような料理ですね。

※これは一昨年に宿泊した際の夕食の画像です。
食事の前には食事観を唱えますが、食事中は会話もOK、食べ終えたら洗鉢する事も無く、個人個人で「食後観」を唱えて退室OKです。
西塔の居士林斎食道場での食事は終始無言で、食器などの音すらも立てずに黙々と、食べ終えたらお茶と沢庵で洗鉢し、全員が食べ終わるのを待って一斉に食後観を唱える「修行」そのものですが、それとはえらい違いです。
会話内容はお寺の事、宗派の事、霊場巡りの話題など、まあ寺院関係の話ですね。俗世の話題は耳にしませんでした。
食事後は各自が入浴したり、布団を敷いて仮眠するも良し・・・ということで、個室予約者はそれぞれが個室に戻り、懐中電灯等の準備をして仮眠をとります。
ただ、寝過ごしては・・・と、室内は点灯したままで睡眠、そして0:22頃には目が覚めて、ここで洗面し、まずはお茶。

そして身支度を整えて、01:30に部屋を出て施錠、鍵はフロントに預けます。
そして延暦寺会館前の広場で準備体操の後に出発。
今回の一日回峰行は、時期的に言うと、3月28日から百日回峰に入っている行者さんも歩いておられる訳で、実際に出会う可能性があるということで、行者さんが見えたら道を譲るという事前注意も受けております。
出発後、根本中堂に向けて般若心経読誦。
ここで、小鴨覚俊師から「お経は耳で唱える、回りに揃える様に唱えること。今のはみんなバラバラだ」と注意をうける。
要は我を出す事無く、皆で揃ってという「協調性」ということですね。私も少し早く唱えたモンですから、反省しました。
開経偈、般若心経、丸暗記していますし、前回は雨天という事もあって持参しませんでしたが、お経というのは基本的にはお経本を見ながら唱えるもの、ということで今回は持参しました。
次に戒壇院、大講堂を経て、暗闇の中、懐中電灯の明かりだけで、不動真言を唱えながら進む。
弁慶水で説明を受けた後、ドライブウェイを跨ぐ橋を渡り、山王院方向に礼拝、そしてそこから続く、蹴上げがやたらと高く、踏み面の広い石段を下り、西塔エリア、山内で最も清浄な場所である浄土院にて礼拝、そして由来の説明を受けていた頃、百日回峰の行者さんが来られたので、道を開けて、皆で手を合わせて行者さんとその祈りを見守る。
そして、にない堂や釈迦堂でも説明中に次の百日回峰行者さんが来られたので、同じ様にして皆で見守る。
釈迦堂から進むと、暗闇の中にコンクリートの基壇だけが懐中電灯の明かりに照らされて見えた。
もともと居士林の斎食道場があった場所で、台風被害により大木が倒れ、居士林道場共に解体撤去されていた。私の初めての一日回峰行はこの居士林が起点で、食事もこの場所であったので、少し寂しさを感じた。
ここからドライブウェイに上がり、少し進むと狩籠の丘に到達する。比叡山の魔所の一つで、伝教大師がこの場に魔物を封じ込めているという場所。
そしてこの狩籠の丘から餓鬼坂に至る前に、「ここよりは無言の行、私が良いと言うまで絶対に喋ってはならんし、真言も唱えてはならぬ」と注意があり、ここから餓鬼坂に入る。個々に己の所業を考え、反省し、ただ黙々と歩く。
この餓鬼坂というのは京都一周トレイル、東海自然歩道でもあり、普通の人も歩く場所ですが、昼間は大したことは無いんでしょうね。 ただ、深夜となると、京都中の魑魅魍魎、餓鬼が集まるということで、行者さんもここは供養をしつつ歩くんだとか。
先達さんは法華経を唱えながら進みますが、これは「修行をした僧」が行うから意味があるのであって、私ら一般人がお経丸暗記していたとしても、唱えながら歩いても何の意味も無いでしょうね。 よそ様のブログ等で拝見しますと、この餓鬼坂で夜に喋りながら歩くと、腹が痛くなったり、足を捻挫したり、骨折したりと、碌な事が無いようです。
やがて少し開けた場所、玉体杉にやってきて、餓鬼坂はここで終了。
この玉体杉からは京都の街の明かりが煌々と見え、ごくごく普通の生活をする人々がそこに居るという事を感じる。この玉体杉では行者さんが立て続けに二人来られて、先ずは琵琶湖方向に、そして今度は蓮台石に座し、京都御所に向けて鎮護国家、玉体安穏の祈りを捧げる場面が間近で、それも二度も見られた。こういう場面はそうそう無いし、これは貴重でしたね。
ここから更に進むと払暁に横川の駐車場に出て、この段階で04:00頃でしょうかね。
・・・でしょうかね・・・というのは、時計を忘れた為に正確な時間が分からなかったんです。携帯電話はディパックの中で取り出せんし、しょうがないですね。
横川中堂で般若心経読誦、説明の後、元三大師堂にて礼拝の後、お茶と飴のお接待。丁度、ここでは執事(しじ)さんの読経の声が聞こえました。
更に、ここでは行者さんが二人出て行かれました。玉体杉でお会いした方々でしょうね。庫裏の玄関から出て行かれましたから、ここが休憩場所になっているのかも知れませんね。
さて、元三大師堂を出ると、恵心堂で礼拝、ここを出ると、四明岳経由で日吉大社奥宮である八王子山まで一気に下ります。