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   今度は延暦寺西塔にある「にない堂」。
 正面に見える建物を常行堂といい、中央の阿弥陀様、その周りを90日間、念仏を唱えつつずっと歩き続ける「常行三昧」という行が行われています。今回、一日回峰を終えて帰途に付くとき、中から「なぁ~むあぁぁ~みだぁぁ~ぶぅぅぅ~~~っ・・・」という行者の念仏が聞こえて来ました。
 
 さて、一日回峰行ですが、計7回あった内、受付と宿泊先が「延暦寺会館バージョン」と「居士林バージョン」の二つありました。
   延暦寺会館というのは、東塔にある宿坊。
   宿坊といっても、限りなくホテル旅館に近い建物で、ここで参加した場合は夕食も館内2Fのレストランで摂り、精進料理とはいえ、ほぼ懐石に近い様な、結構良い物が出ている様ですね。人様の一日回峰行について記したブログ等を拝見していますと、この延暦寺会館の方で参加されている方が多い様で、食事の際に色々と情報交換したり、楽しく過ごしたという記事があり、また、風呂も大浴場でのんびりと入浴出来る様です。バスタオルや髭剃りなどのアメニティーグッズも整っている様ですね。故に、延暦寺会館バージョンでの参加費用は10,000と、やや高額。また、別途料金が必要になるものの個別に部屋を取ることも可能です。着替えなど、人目につきたくないという人は個別に部屋を予約された方もいらっしゃるでしょう。こういう点では便利ですね。
 
  これに対して居士林の場合は、参加費用8,000と、延暦寺会館バージョンよりは少し安いですが、こちらは正式には「居士林研修道場」という位で、「いゃ~お寺に来てるんだワ~」という感じがしますね。ここはもともとが座禅とか写経など、企業や学校などの研修をする場所ですから当然。
   故に、廊下や室内を歩く時も、踵から落とすような歩き方をして音をさせてはならぬ、トイレのスリッパは綺麗に揃える、室内での飲食厳禁・・・等といった制約があります。室内で足を崩して座っていても、半鐘の音で全員正座、一枚の畳に三人が座る・・と、規則がやや多く、ある種の人達にはちょっと耐えられないかもしれませんが、私は結構心地よく感じましたね。この辺は陸自時代の生活がある程度身に染み付いているからでしょうか。
    食事は、居士林道場の前に、居士林斎食道場(さいじきどうじょう)という食堂(じきどう)があり、そこで摂りましたが、通常、お寺における食事の前には「五観」というのを唱えますが、夕食、これを非食(ひじき)といい、この前には五観ではなく、食前観というのを唱えます。即ち・・・・
 
    食前観
     われ今幸いに仏祖の加護と衆生の恩恵によってこの清き食を受く、つつし
    んで食の来由をたづねて味の濃淡を問わず、その功徳を念じて品の多少をえ
    らばじ(拍子木二回)
    いただきます・・・
 
 と唱えて、食事が始まります。
 当日の献立は、白飯、野菜の煮物とゴマ豆腐、とろろ昆布と麩の吸い物、たくあんという一汁一菜。そして食事の際は音を立ててはならず、一々食器を手にとって頂きます。当然、会話しながらの食事は御法度。そして最後は、小さい器から順にお茶を注いで、一切れだけ残した沢庵で洗鉢し、最後はその沢庵とお茶も頂いて・・・・  
 
   食後観
     われ今この清き食を終わりて心ゆたかに力身に満つ、願わくばこの心身を 
            捧げて己が業にいそしみ、誓って四恩に報い奉らん(拍子木二回) 
            ごちそうさまでした
 
 で、食事が終ります。そして皆で片付けまで行います。 で、最後に厨房の洗い場で食器の片付けをされる僧侶、職員さんに対してお礼を述べて食堂を退出。ちなみに、この食器洗浄と片付けは、所長の宮本祖豊師も作務衣姿で行っておられました。(この方、御周知の方もいらっしゃると思いますが、浄土院で待真僧を20年勤められた「荒行」の満行者なんですね。これだけでも私は感激してしまいました)
 
 
   そして風呂は、「10分」で終えなくてはなりません。当日は降雨、体を冷やしてはならぬと、私は入浴しませんでしたが、入浴された方々は結構慌しく入られた様ですね。
  夜中の起床も「半鐘」です。
 
  あと、歯ブラシやバスタオル等は、居士林バージョンで参加される方は用意して置いた方が良いかも知れませんね。備え付けはありません。 
 
  以上、延暦寺会館バージョンと居士林バージョンではこの位違うというお話でした。
    ただし、お寺らしい生活を少しでも垣間見たいという方には居士林はお勧めです。
 
 あと、持参する荷物、延暦寺会館の場合はケーブル駅から会館までは舗装路ですから、キャリーケースの様なカバンでも宜しいと思いますが、居士林の場合ですと、ケーブル駅から東塔バス停まで若干の上り坂、そして西塔バス停からにない堂前までは良いとして、にない堂からは砂利道、階段、釈迦堂から階段、砂利道となりますので、抱えて行く必要があります。私もキャリーケースを何度も抱えて歩く羽目になり、ちょっと後悔しました。という訳で、居士林の場合はリュックタイプが良いかも知れませんね。キャリーケースは行きは良いとしても、帰り道、回峰行で張った脚腰には少し堪えます。