デュシェンヌ型筋ジストロフィーで56歳。
4月29日。
所属する
「どんなに障害が重くても地域で暮らすのが当たり前」
をモットーとする「虹の会」の
工藤会長が永眠されました。
デュシェンヌ型筋ジストロフィーで
56歳という大往生を遂げられました。
30年以上前に
ひとり暮らしなんてしたら
2、3年で死ぬと医師に言われ
病棟の仲間からも
退院なんてしたらすぐ死ぬよと言われても
自分の意思を貫き
東埼玉病院から飛び出しました。
当時それは新聞にも取り上げられる程に
センセーショナルなことだったの。
しかし地域の人間からは
「障害者なんて病院の外に出すな」という
抗議の電話が
新聞社や自宅に殺到したと聞きます。
今とは違い介助者の保証もなく
介助者を探す電話に明け暮れる。
そんな想像を絶する生活が
今の24時間の介助保証に繋がっている。
先人たちの強い思いの上に
私は立っているのだと
姿勢を正す思いです。
デュシェンヌ型筋ジストロフィーの平均寿命が
38歳前後といわれるなか
56歳は驚異的を通り越して
奇跡的です。
これは日頃からのストイックなまでの
徹底した自己管理・介助者の教育の賜物。
平均寿命に差し掛かる私も
それを超えるくらいの勢いで
生き抜こうと
より思いを強くしました。
最後に、病院を否定する気はないのだけれど
退院する工藤さんを
スグに死ぬと言っていた患者たちは
皆とっくの昔に、亡くなっちゃった。
という、工藤会長の言葉がとても印象に残っています。
私の工藤会長との出会いは
20年以上前
高校の授業で自宅にお邪魔した時でした。
高校生の私に
全ては自己責任だけど、地域で一人暮らしをする
自由な生活がある。
病院で生活することだけが全てではないと
光り輝くものを見せてくれた先輩。
私もそんな後輩が作れたらと
生活を続けています。
ついに虹の会の筋ジストロフィーは
私だけになってしまった。
ますます死ぬ訳にはいかなくなったわね。
とにかく必死に生きる。
それがあとに残された者の
最低限の使命だと思うから。