「ヒトラーの馬を奪還せよ」という本を読んだ。オランダの美術調査員によるノンフィクションで、事実ながらミステリー小説のような展開に引き込まれ、一気に読み終えた。

 

 

ナチスの最盛期、ドイツの威厳を示すために、数々の彫刻が有名な芸術家たちに依頼されて制作された。

 

その中には、ヒトラーのお気に入りでベルリンの官邸の前に飾られていた高さ3メートル、重さ1トンの一対の馬のブロンズ像もあった。

 

1945年のドイツ敗戦時、官邸がソ連軍により破壊されたため、この像も破壊されたと思われていた。しかし、2014年に著者はこの像が闇市場で取引されているという情報を入手する。この像は第二次世界大戦末期にソ連軍によって略奪され、その後闇市場を経て蒐集家によって保有されていたのだ。世の中にはナチスの美術品を収集する富裕層が存在し、それを扱う密売組織も暗躍している。著者は架空の金持ちコレクターの代理人を装い、馬の像を買いたいと売り手の代理人と交渉を進める。正体がバレるのではないかと、読んでいる方もハラハラドキドキの展開だ。

 

2015年5月、著者はドイツ警察と協力し、密売組織の隠れ家から馬のブロンズ像を含むいくつかのナチス関連美術品を発見することに成功した。

 

この像を自分の目で見たいと思い、夫婦でベルリンまで行ってきた。無駄な旅行かもしれないが、人生で大切なのは思い出作り!

 

 

 

ベルリンのホテルの受付の女性が時間をかけて調べてくれたところ、像はシュパンダウ要塞と言う五稜郭みたいな場所にあることがわかった。そこはベルリンの西端にあり、ホテルからはタクシーで1時間以上かかった。

 

 

入場券売り場で係の人に像の写真を見せて「これを見たい」と言うと、「こっちに来い」と言われた。彼の後をついて行くと、100メートルほど先の建物を指さして、「あそこにある」と教えてくれた。入場券を買ってないけれど良いのかな?と思いながら、倉庫のような建物の中を覗くと…

 

長くなるので、(先輩達に倣い)続き物にします🐄🐂