※2021年現在、681系1000番代は全車両廃車されていますので、乗車する事は不可能です。
681系1000番台は、1992年、JR西日本発足以降初の特急型車両と同時に、日本初の営業最高速度時速160km運転を可能とした車両として登場しました。デビュー時はスーパー雷鳥サンダーバードとして活躍しました。
また、登場当時は9両貫通1編成(量産車の681系0番代は6+3連)で登場しましたが、683系0番台が登場した2001年には、他の編成と共通運用が組めるよう、9両貫通編成から681系,683系0番台と同様の基本編成6両,付属編成3両の6+3連へ改造され2019年の引退まで681系,683系0番代と共にサンダーバードをメインとして活躍していました。
681系1000番台プロトタイプ
プロト編成と681系量産編成は外観が若干異なる点があり、乗る前に外から見分けられる方法があります。
681系0番代量産車
まず1つ目にプロト編成はクロ681の先頭スカート部がボルト止めされている所、2つ目に運転席脇の窓が完全な直角三角形となっている所です。
また車内についてですが、外観以上に量産車と違いがあります。
デッキ
デッキは照明と化粧板そのものは量産車とあまり変わらないですが、プロトタイプは横方向に入ったスクエアドットのラインポイントが入っているの特徴です。
照明
照明も白熱色の間接照明+荷棚下の補助照明という点は量産車と変わらないですが、量産車だと存在する荷棚下に貼られた化粧生地が、プロトタイプには存在しない所が大きな違いです。
荷棚下の補助照明
3号車車内
2,4,5,6号車車内
サーモンピンクとグレーブルーのシートモケットが使われている点は量産車と共通ですがこちらはグレーブルーのシートモケット使われている車両は3号車しかありません。
車内の印象ですが、通路床面のセンターラインと妻面のデッキ仕切り壁が座席のモケットと合わせたワインレッドとスミレ色の2色を用いて、量産車と比べて派手な車内となっています。この点がある意味試作車らしいと言えますね。
座席
リクライニング時
座り心地はプロトタイプの方がバックレストがボッテリとしている分柔らかいですが、量産車と比べて作りが甘いせいかホールド性は劣ります。サンダーバードは飛ばす上低重心構造でコーナーリング速度も高いので結構ホールド性が必要な列車ですので、結論は量産車と比べて少し劣ります。(※あくまで量産車と比較した場合です)
また、背面テーブルが量産車と比べて小さくなっていて、背面テーブルのデザイン自体も時代を感じます。
背面テーブル
ただ、個人的にこの座席で一番悪いと感じる点は背面ポケットの網がヨレヨレすぎる点です。これは正直みっともないです。
個人的に驚いた点が車椅子対応席がヒモで固定するタイプなっている点です。
静寂性は、量産車と同様、683系と比較するとうるさいですが、GTOインバータ車特有の加減速時の豪快なインバータ音としかも160km対応車の発信時の間延び音が非常に長いこの音が681系の醍醐味の1つですが、量産車と比べてインバーター音がよりハッキリ聞こえるので、楽しさはこちらに軍配が上がります。
乗り心地は量産車と大きな差はありませんでした。
走りについてですが、このプロトタイプはサンダーバードに運用されているせいなのかそれともモーター定格出力が245kwに増強されているせいなのか分かりませんが、加速が量産車と比べて段違いに良く(あくまで681系しらさぎと比較した場合)683系に全く劣らない高速域の加速でした。ただ、低中速域の加速の低さは全車共通です。
量産車と比べて差異の多さや試作車故の1編成の等色々と貴重な列車ではありますが、残念な事にシステムのユニット構成の違いによる整備性の問題や登場から年次が経つせいか683系0番台のリニューアルが完了後、数年の月日を経て全車両廃車されました。
吹田に入場していた付属編成のV01編成
JR西日本車初の特急型電車や日本初の営業最高速度160km対応車等話題性も多いの電車ですので、個人的にクロ681先頭車は京都の鉄道博物館に展示されて欲しかったですね…