日本のバイオテロ対策は実に軟弱です。
例えば厚生労働省の「バイオテロ対応ホームページ」とかをご覧になってください。
バイオハザード対策で、
・呼吸器感染症患者は、咳やくしゃみの際に口や鼻を覆い、気道分泌物に触れた際には流水による手指衛生を行う。
・咳を有する呼吸器感染症患者は、サージカルマスクを着用する。
・医療施設における感染性疾患患者と他の患者との動線の分離や、外来個室の整備など外来トリアージを行う(図4)。
・医療従事者は呼吸器感染症患者に対応する際にはサージカルマスクやN95マスクなどのマスクを着用する。
あいかわらずサージカルマスクで防げると思っているのか?
ゲノム編集技術が向上すればもっと微小な人工的な病原体、ウイルスを作ることも可能である。マスクなんかで防げるはずがない。
「科学による人類滅亡」はSFではない 人工ウイルスがもたらす悲劇を専門家が指摘
9/21(木) 7:02配信
『ゲノム編集技術が、著しいペースで進化を遂げている。狙った遺伝子を改変させることが可能なこの技術は、医療分野や農水産業などでの活用が期待されている。だが一方で、リスクもある。北海道大学客員教授の小川和也氏は、著書『人類滅亡2つのシナリオ AIと遺伝子操作が悪用された未来』(朝日新書)の中で、将来的に、ゲノム編集技術を悪用したバイオテロや人工ウイルス散布が起きるリスクについて警鐘を鳴らしている。本書から一部抜粋して紹介する。
■生物兵器によるバイオテロや人工ウイルスの蔓延
国家間のゲノム権力闘争の火種となる可能性がある一方、生物兵器を用いたバイオテロや人工ウイルスの蔓延も、人類に大きな悪影響を与えるリスクがある。
2018年1月、カナダのアルバータ大学のデイビッド・エバンス教授らは、オープンアクセス型学術雑誌『プロスワン』で、化学合成したDNA断片から馬痘ウイルスを生成したことに関する研究論文を発表した。
馬痘ウイルスの対象動物は馬であるものの、この技術を応用することで、天然痘ウイルスの作製が可能になることを微生物学者などの専門家は危惧する。リスクのある論文を掲載したことに対し、多くの研究者から批判が寄せられたが、エバンス教授は「技術の進歩に逆行する試みや企ては長年にわたってすべて失敗してきた。技術を規制するよりも、そのリスクを正しく理解した上で、これを軽減するための戦略を立てる必要性を人々に教育するべきである」と反論している。「それも一理ある」と受け止めるかどうかは意見が分かれるところであろう。しかし、リスクというものは、意見が分かれるその間隙を突くものだ。
2018年6月19日、米国科学工学医学アカデミーは、国防総省(DOD)の要請のもと、合成生物学の進化に伴う安全保障上の懸念を評価するフレームワークを構築し、「合成生物学の時代のバイオテロ防衛」という報告書にまとめて公開した。この報告書は、既存の細菌やウイルスをより有害なものに改変するなど、合成生物学が新たな兵器を生み出す可能性を広げていると結論づけている。その著者のひとりであるミシガン大学のマイケル・インペリアーレ教授は、米国政府は急速に進化する合成生物学の分野を注視すべきであると警告している。
このフレームワークでは、「技術の有用性」、「兵器としての有用性」、「専門家の要否や資源へのアクセスといった必須条件」、「脅威の抑止や予防策の実行などの緩和可能性」という4つの観点から懸念レベルが整理されている。特に懸念レベルが最も高いものとして、「パンデミックをもたらす既存ウイルスの再形成」、「より有害な細菌への改変」、「毒素を生成する微生物への改変」という3つのケースが挙げられ、技術の進化によりバイオテロなどへ悪用される可能性が生じることは否定できないとする。インペリアーレ教授は、将来に向けて実現可能となり得る事象を勘案した上で、幅広い脅威に対応する戦略を探求し続ける必要性を国防総省に対して説いている。
このような流れの中で、ゲノム編集技術が向上すると、人工的な病原体、ウイルスを作り出すことが可能になるかもしれない。ゲノム編集技術によって開発された致死性のある生物兵器がテロに使われたり、脅威的なゲノム編集人工ウイルスがばら撒かれて蔓延してしまったときのダメージは計り知れない。』