3回目ワクチン接種でIgG4が増えて免疫寛容が起こることは有名です。
その論文
Class switch toward noninflammatory, spike-specific IgG4 antibodies after repeated SARS-CoV-2 mRNA vaccination
https://www.science.org/doi/10.1126/sciimmunol.ade2798
ワクチン接種後の再感染時に「IgG4レベルは、2回のmRNAワクチン接種と比較して、3回受けた個人の方が一般的に高くなります。
接種後の感染でIgG4の記憶細胞が活性化され免疫反応が低下するということです。
私たちの体に本来備わっている機能である中和作用、補体依存性細胞傷害活性(CDC)、抗体依存性細胞傷害活性(ADCC)、抗体依存性細胞貪食活性(ADCP)、アゴニスト活性を応用したものに加え、バイオテクノロジーの進歩によって生みだされた抗体薬物複合体(ADC)、バイスペシフィック抗体などいろいろな作用があります。
抗体依存性細胞貪食活性(ADCP)や、ADCDは抗体依存の補体沈着(補体の活性化の指標)も2回後より3回後にどちらも下がっています。
ADCP活性とは、異物として認識された標的細胞の表面にある抗原に抗体が結合することで、貪食活性(異物を取り込んで消化する働き)を持つ細胞が呼び寄せられ、標的細胞を除去する働きのこと。
がん細胞の抗原特異的な抗体が結合することで、マクロファージや好中球等の貪食活性が活性化され、がん細胞を攻撃すると考えられています。
IgG2 と IgG4 は,FcγR 依存性のエフェクター機能が低いと報告されており,THP-1細胞株を用いて抗体依存性細胞貪食(ADCP:antibody dependent cell mediated phagocytosis)や抗体依存性補体沈着(ADCD:antibody-dependent complement deposition)の活性を見ています。