日銀の買いオペが金融緩和になっていない。
買いオペとは、日銀が円を刷って、民間銀行が既に保有している国債を購入する事です。
買いオペの論理は、国債が現金に変わることで、銀行の貸出しが増える→「金融緩和」
実際は、銀行の貸出し総額は異次元「緩和」前に比べて減少→「金融引締め」
・現行のBIS規制下では、買いオペは金融緩和として機能し得ない。
・マイナス金利政策下では買いオペ資金は貸し出しに回らない。
邦銀の預金残高合計は809兆円、貸出し残高合計416兆円
米銀の預金残高合計314兆円、貸出し残高合計234兆円
邦銀預金残高は、アメリカの2.5倍であり、TPPで狙われている本丸の一つ。そして邦銀は預金残高の半分しか貸していません(アメリカは75%貸しています)
邦銀資産1889兆円の内訳は、
債券等64%(1209兆円)
貸出22%(416兆円)
現金14%(264兆円)
●重要な事実
日銀で買いオペした現金は債券運用されるか現金のまま当座預金で休眠します。
ETFと同様、債券の売り手は外資なので、異次元緩和マネーは外資へ行っているだけ。しかも毎年6兆円が外資へ資金移動しています。
●理解しておくべきBISの自己資本8%ルール
・80年代に邦銀が世界上位を独占したことに反発した欧米が決めた自己資本8%ルール
・預金残高で現在でも米の2.5倍の日本の銀行は、今でもBIS規制なしでは、一人勝ちになる
BISを求める算出は、自己資本/sum(債券、貸出資産等リスクアセット×各リスクウェイト)
・リスクウェイト例
国債、米財務省証券、現金は0%、抵当権付住宅ローン35%、中小企業・個人ローン75%、格付取得法人貸出(格付けにより、20%~150%)
●日銀の買いオペが金融緩和にならない本質的な理由
・国債を買いオペで現金にしても、元々国債もリスクウェイトゼロで貸出枠は変わらない。
・現金運用は民間銀行の自由なので、貸し出さず高利回りの債券やデリバティブを買う。
・特に中小企業や個人はリスクウェイトが高く、マイナス金利政策下では経営上貸せない。
●更に恐ろしい近未来
「バーゼル新規制では国債は格付けでリスクウェイト化」
日本の国債は、米財務省証券よりも5段階ランクが低い。よって日本国債を邦銀は買えなくなる。
・日本人の800兆円の預金は米財務省証券やユーロ債券やデリバティブ購入に。
・日銀の買いオペ現金も、米財務省証券やユーロ債券やデリバティブ購入に。
●バーゼル新規制前に、抜本的な対策が必要
1.銀行法銀行の預金運用は、日本国債、地方債などの政府債券のみに規制すべき。
2.預金を原資とせず、債券で資金調達する長期信用銀行法銀行を復活させるべき。