雨旅ーあまたびー③
伽藍堂
雛
村人A
伽藍堂【俺らは急いで街を抜けた。雛も民衆の目が気になるだろうと思って…。しかし、何故俺の噂が広まっているのだ。】
雛「伽藍堂さん…。」
伽藍堂「ん?どうした?」
雛「次の村は雛が1人で行こうか?ちゃんと伽藍堂さんの所に戻って来るから。」
伽藍堂「ははっ。ありがとう。だが、お前を1人には出来ない。次の村で食料を貰おう。」
伽藍堂【雛は悲しそうな顔をした。俺の事を気遣ってくれたのだろう。】
伽藍堂「次の村は俺の知り合いがいる。だから安心しろ。」
雛「うん…。」
(空白)
雛「あ、雨……。」
伽藍堂【突然降り出した雨は冷たくて、次第に激しさを増す。】
伽藍堂「あの門の向こうが次の村だ。少し走ろう。」
雛「はいっ!」
伽藍堂【俺たちは走った。門の向こうの友人の家まで。】
雛「はぁ…はぁ…。」
伽藍堂「…これはっ…。」
伽藍堂【俺達が目の当たりにしたのは土砂の山だった。】
伽藍堂「山が…崩れたか……。」
雛「あの、伽藍堂さんのご友人の家は…?」
伽藍堂「っ……。ここだ……。」
雛「ここ…土だよ?」
伽藍堂「この土の下に…埋もれてしまった。」
雛「そんな……。」
村人A「あんた達、竜胆さんの知り合いかい?竜胆さんは… 残念ながら村を守る為に死んでしまったよ。先の土砂崩れでね。自分がどうにかすると言って…。」
伽藍堂「そうか…ありがとう。」
村人A「そういや、あの人も不思議な力を持っていた。あんたもそうなのかい?」
雛「不思議な力?」
村人A「あぁ、土砂が目の前で進路を変えたんだ。それにあんたみたいな動物の骨を頭に被っていたんだよ。竜胆さんも。」
伽藍堂「まぁ、同類ではあるが俺は正反対だ。誰かを呪う事しか出来ない。いつからかあるこの憎しみが消えるまでな。」